イタリアに来たばかりの頃、まだ友達もいなくて、
やっとの思いで買ったテレビが心の拠り所でした。
今でももちろん心の拠り所なのですが、
それは日本のドラマを見るためです。
ビデオデッキとDVDプレイヤーがあるので、
日本のテレビ番組しか見ていません。
5~6年前は毎週、テレビガイドみたいな週刊誌を欠かさず買って、
見たい番組を前もってチェックするほどでした。
前述の理由で
今はまったくと言っていいほどイタリアのテレビ番組を見ないので、
ニュースや
“PORTA A PORTA”(その時旬なことを討論する番組)をたまに見ると、
意外とイタリア語が理解できている自分に驚きます。それでもやっぱり日本のテレビ番組が見たいです。
だってろくな番組がないのです。
好きな番組は、ニュース、“PORTA A PORTA”、
“ALLE FALDE DEL KILIMANGIARO”、
“TURISTI PER CASO”(この2つは紀行番組)くらいです。
それ以外では許せないものが多いです。
くだらなくて毎日同じのクイズ番組か、
裸の姉ちゃんたちが踊っているバラエティ。
昨日、友人F氏より
「やっぱりまずいよ、この国」という
表題のメールが届いたのでびっくりしました。
おそるおそるメールを開けて読んでみると、
最近見たイタリア映画のレベルがあまりに低かったらしいのです。
テレビのメロドラマよりひどい。
陳腐すぎて、最初は口あんぐり、って感じだったけど、
だんだん見てるうちに腹がたってきた。
この国はお金かけて映画作って、しょせんこのレベルなのよ。
『無防備都市』や『甘い生活』、
『ニューシネマパラダイス』みたいなのもかつては作れたのに。
しかしそこまで彼女に言わせるこの映画ってどんなだったのでしょう?
実はウチの職場が撮影場所として使われているので、
いつか見ると思います。
でも彼女に言わせると、
映画館やレンタルDVDはもちろん、テレビでただで見ても
「2時間返せ!」って思っちゃうくらいひどい。
ので、どうやって観るか検討中です。
さてそんなテレビ離れして久しいわたしが
昨日の夜はずっとRAI1(国営放送1チャンネルです)を付けていました。
昨日の朝亡くなったパヴァロッティの追悼番組です。
はじめは三大テノールで10年以上前にカラカラ浴場で歌ったステージ。
生で見たかったなあ、カラカラ浴場で歌うパヴァロッティ。
それから、討論番組“PORTA A PORTA”、
数年前に彼がゲストだった回の再放送を。
奥さんニコレッタの前で、生き生きと
司会者ブルーノ・ヴェスパの質問に答えるパヴァロッティ。
ドミンゴやレナータ・スコットとステージ裏話の披露。
それからお父さんも登場して一緒に歌う姿などは、
歌手としてはもちろんだけど、
人間パヴァロッティの一部を垣間見た気がしました。
オペラに詳しくないわたしでも、
パヴァロッティの歌声は何度も聞いたことがあるし、
それに生の声が聞けなくなることはとても悲しく思われます。
71歳とまだ若かったのに。
パヴァロッティ、数々のステージをありがとう。そしてお疲れ様でした。