昔の車のデザインは良かった。
無駄があったのである。
いつの頃からか空気抵抗値だとか居住性優先となり
今やどのメーカーも同じようなデザインになってしまった。
メーカーエンブレムを取り払ってしまえば
どこのメーカーか分からない車がたくさんある。
国産車に限らず世界中の車のデザインがその傾向にある。
今年の随分前になるがこんな車の写真を撮った。
これはさすがに古過ぎてどこのメーカーか分からなかった。
ボンネットの先に縦長のモノが10個ぐらい付いている。
よく読んでみると「OLDSMOBILE」とある。
オールズモービル、聞いたことあるようなないような。
それにしてもこのグネッと曲がったフロントバンパー。
空気抵抗も軽量化もあったもんじゃない。
このドアの形、ドアの後ろとリアフェンダーの曲線、
フロントガラスと三角窓の処理、クォーターガラスのデザイン、
一体ナニ考えとんじゃい、ってデザインだ。
そういえば昔、すごく小さい頃にこんなミニカーあったなあ。
ブリキ製で走らせると「ウイ~ン」って音がするヤツ。
うわ、細くて回し難そうなハンドル。
ダッシュボードは本革を染めて縫ってあるワケね。
こんなの燃費も相当悪いんだろうなあ。
でもロマンがある。夢に溢れている。
まさにアメリカン・ドリームだ。
アメ車は全く欲しいと思わんが、見る分は楽しい。
僕は無駄なデザインを見るのが好きなのである。
思い描いたまま、一切の妥協なし、コスト関係なし。
日本の美術品もそういうところが美術品たる所以であろう。