テーマ:バリ島移住大作戦(68)
カテゴリ:バリ島移住大作戦!
源さん、インドネシアの小娘を孕ませてしまったというのに、妻とは別離する気はさらさらないと公言してはばからぬ。
となれば、デウィちゃん、それをどう折り合いをつけたのか気になる・・・。 『源さん、奥さんと離婚しない事はデウィちゃん知っているの、それとも隠しているの?』 『言うたよ。なあ?』 『うん!』 可愛く頷き微笑む。 だが、その胸のうちを推し量ると、なんとなく空恐ろしい・・・・。 結婚しないで子供を産むと納得したのは金銭によるのは間違いのないところであろう。それはそうなのだが、一概にそうとも言い切れないのがインドネシア人の難しいところである。 まず男が女に恋心を抱いたとしよう。 女の方は、それほどの気持ちがない場合だが、女は男の何処を見るか。日本だと、最近は変わったといえども、容姿もあるだろうが、それより重きを置くのは、性格、誠意、優しいかどうか、生き方、価値観などなど。まあ、多少は打算的な見方もするだろうが・・・。 ところがインドネシアでは、難解かつ理解に苦しむ。 どれだけ金銭的に助けてくれるか。小遣い、家族の生活費、幼い兄弟の学費、医療費など、求めに応じて助ければ助けるだけ、女の心に男に対する恋心が芽生える。 ああ、この人は、こんなに私を愛してくれている・・・と。 それは違うだろう! 愛でもなんでもない! 不純だ! とは思うものの、インドネシアの背景を知れば知るほど、一概にそうも言えなくなる。なにしろ、世界4位、2億5千万ほどの人口に、大家族、就職難・・・・。親が職を失えば、どんな小娘だろうと、家族を支えようと必死で収入の道を模索する。 ここだけは、日本より徹底しいている。おおむね日本だったら、そこまで面倒みれないよと、とんずら。なにしろ、大の大人が年老いた親を見捨てる時代なんだから・・・。 そんなバックグラウンドを考慮すれば、こうしたインドネシアの価値観を違うとだけ言い切れぬ。 そこで百歩譲って、良しとしよう。 問題は、そんなやり方を装い、嘘八百並べ、金だけむしり取ろうとする小娘がやまほどいる。そんな場合は、貢ぎ続けても、娘には愛情など芽生えず、金が底をついたら、乗り換える。 外国人の多いバリには、そうした魂胆の娘が国中から集まってくる。諸外国の助平男たちが、どれだけ泣かされたことか・・・。 『ひえーっ、ひえーっ、ひえーっ』 あの奇妙な声で涙を流して大笑いの源さんにムッ。 『源さん、ここは笑うとこじゃないだろうが!』 『ひえーっ、ひえーっ、悪い悪い。しかし、なんやなあ、マモさんもごつう痛い目におうたんやろ?』 『うっ・・・・・』 『正直に言いや』 『いやァ、面目ない・・・・』 『ええよええよ、しかし、そこなんよ、わいもデウィちゃんの魂胆が読めんのよ・・・それを見極めてもらおうと思うて来たんよ、頼むわ』 所詮、他人の事。 どうなろうと知った事はない。だが、事、源さんの事となれば、そうもいかぬ。ここは、腹を括って確かめるしかあるまい。 『デウィちゃん、源さんの子供ができて、結婚もしなくていいって、どういうことなの?』 『・・・・・・』 『源さんに代わって訊いているんだ、源さんインドネシア語、それほど出来ないし』 あっけらかんとしていたデウィちゃんの表情が、わずかに硬くなった・・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[バリ島移住大作戦!] カテゴリの最新記事
|
|