カテゴリ:バリ島の不思議 僕は見た!
あれは二日前の4月25日のことである・・・。
僕は友人の車に乗って、ギリマヌ方面(ジャワ島方面)に向かっていた時だ。 昼前の11時すぎ。思ったより道はすいていて、冗談もポンポンと飛び、口も車も快調に走っていた。 その時である・・・。 僕は見た! 恐怖の救急車を・・・。 けたたましいサイレンをまき散らしながら、その救急車は猛スピードですれ違い、走り去った。 その瞬間、会話が途切れ、しばし沈黙・・・。 何故なら、救急車を運転している男も、助手席の男もその恰好が尋常ではなかったからである・・・。 やがてぽつりぽつりと重い会話が始まった。 『見た・・・?』 『うん・・・』 『白い服着ていたよね・・・』 『それにヤッケみたいに頭まですっぽり白で包んで・・・』 『大きなマスクしていたよね・・・』 『してた・・・、それも普通のマスクじゃなかった・・・』 『目が引きつっていたよね』 『ということは・・・』 『だよな・・・』 いろいろな場合を想定したが、ここは鳥インフルエンザ発生と考えるのが順当ではないだろうか・・・。 僕たちの車が向かっているギリマヌ方面で鳥インフルエンザ感染の可能性のある人をデンパサール方面の設備の整った病院に搬送しているのか。それともデンパサール方面が発生現場か。 進むも戻るも躊躇する・・・。 ところがである。 ものの五分もしないうちに、同じように白い防護服とマスクの救急車とまたしてもすれ違い、パトカーも続く。 これで二台目・・・・。 三台目・・・・、四台目・・・。 間違いない、バリ島で鳥インフルエンザの人から人への感染が始まったのだ。しかも、患者は複数に違いない。 来るものが来た・・・。 そんな思いで、重い雰囲気は帰るまで続いた。 アパートに帰り、早速ローカルのテレビをあちこち回すが、知りたい情報はない。そこでインターネットを開けるが、日本人会からも領事館からも、緊急連絡は入っていなかった。 バリにいると、こうした情報を迅速にキャッチするのがままならず、イライラしていた時に、ようやく情報が入った。 あれは訓練だったそうだ。 ある村に鳥インフルエンザの人から人への感染が発生し、病院関係、警察関係を含め千人規模の大きな訓練だったのである。 ふう、ひと安心。 でも遅かれ早かれ、その時は確実に来る。 となれば、バリから逃げ出して何処に行っても同じで、日本も同じ。 腹をくくるしかないのだが、インドネシアの鳥インフルエンザ対策は遅々として進まず、国民も政府も危機感は薄いように思えてならぬ。 なにしろ、日本と違って多くの人が鶏を飼っている。なのに、インドネシア政府の発表によると、家で鶏を飼うのを全面的に禁止するのは二年後を予定しているという。 ジャカルタでは、すでに鳥を飼うのを禁止し始めているという。それが全国に徹底するのに二年を想定。 大丈夫かな、そんなにノンビリ構えていて・・・・。 駄目でしょう・・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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