バリの日本食レストラン『漁師』

今までのダイエットとは根本的に違うという。

それをＳさんは20年以上掛けて

ようやくカリマンタンで手に入れたという・・・。

『その薬草にようやく巡り合えたということ？』

『いや、その存在は以前から知っていたし見たこともあるんだけど、

やっと分けて貰えたんだ』

『分けて貰えた？・・・誰から？』

『深い山に住むシャーマンから』

『・・・・・・・』

シャーマンと聞いて気持ちがスーッと退く。

『ほらッ、厭な顔した！』

咄嗟の表情を察知して

Ｓさんが、すかさず突っ込む。

シャーマンといえば

噛み精霊から特別な力を貰い

その神や精霊と直接交流することによって

物事の指針を示したり、予言したり、

祭儀を取り仕切り、病人を治療する人のことである。

さらに密かに送り込まれたマジックを抜いたり

逆にマジックを送り込んだりと

いやはや

なんとも摩訶不思議な世界で

それを信じろというのは無理なこと。

とくに自分で見たり体験したことしか信じない

心が狭くイヤラシイ性格の僕にとっては

なんとも、胡散臭い。

といえども、ここはインドネシア。

マジックを掛けられた、抜いて貰った

などというのは日常茶飯事。

2002年や2005年のバリ島のテロ事件のときは

警察がインドネシア中から優れたそういう人を集め

犯人探しをやったという。

さらに

財閥や政治家、大統領までもが

そういう人を身の周りに置き

先行きの道しるべを聞いたり、

敵からマジックを送り込まれないように

備えているという・・・。

信じるもよし、信じないもよし。

ただし、シャーマンの治療となると

話は少し違ってくる。

現代医学に頼れるのとは訳の違う山奥で

シャーマンが病気の治療を行い

効果がなければ、たちどころにシャーマンとしての

地位は保てなくなる。

だからシャーマンは薬効のある植物、鉱物、動物に

熟知しているという。

『今までのダイエットと根本的に違うってどう違うの？』

『飽食と運動不足で太った人のために作ったものじゃないんだよ』

意味がイマイチ判らぬ。

『その逆なんだ』

『逆って？』

『カリマンタンの山奥なんて充分な食べ物がないんだ』

『・・・・・・？』

『子供から年寄りまでひもじくて仕方がなく、

それを見かねた

シャーマンが探し出した植物でね、空腹感というか

食欲を減らすものなんだ』

いままでのダイエットといえば

空腹感を我慢したり

太らない食べ物で誤魔化したりで

厳然として空腹感、食欲はあるわけで

それがいじましくて厭だったが

カリマンタンのは

その空腹感や食欲自体を減らすという・・・。

確かに、いままでのとは根本的に違うようだ。

でも、疑問はある。

『あまり食べないようになったら逆に体力が落ちたり病気にならないの？』

『そう思うよね。でも、これは滋養強壮の効果も強くて

まったく元気なんだ』

そんな虫のいい話があるもんか・・・

『マモさん、まだ疑っているでしょう？』

『うん』

『でも試してみたら本当に体重落ちたよ』

いわれてみれば、確かに以前よりすっきりしている。

てな経緯で僕も試してみることになった。

次回は、その現物の写真と

使い方、経過をお伝えします・・・。