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知的漫遊紀行

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Ryu-chan6708

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2010.01.11
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下巻の巻末に、当時の東大教授の西義之氏の「解説」がある。
   それによると、西氏は当時、東大新入生への推薦図書として、アンケートを求められると、司馬遼太郎の「坂の上の雲」とこの山田風太郎の「警視庁草紙」の2冊をあげているという。
   いずれも、明治を扱っているが、「坂の上の雲」は日露戦争中心
  「警視庁草紙」は、西郷隆盛征韓論で敗れ、薩摩に帰り、西南戦争が始まるあたりまでだね。

A氏:そうすると「坂の上の雲」が明治36年から37年前後で、「警視庁草紙」が明治5年頃から、西南戦争が始まる明治10年前後までの話が中心となるね。
  要するに、西郷隆盛が死んで武士の反乱が治まり、明治政府がようやく独立するのが明治10年
  その後、日清戦争で日本はようやくアジアに認められ、日露戦争で列強の仲間に入るという、10年単位の駆け足の時代だね。

:作者が掘り出した中心人物も、「坂の上の雲」は児玉源太郎だが、「警視庁草紙」では、川路利良大警視だね。
  西氏は、司馬遼太郎は明治のポジを描いているのであれば、山田風太郎はネガを描いているという。
  この両者の対比は両極端だが、、たしかに明治を知るには、両面を知る必要があるから、両者の著書は補完するものだね。

A氏:司馬遼太郎に対し、山田風太郎が描くのは、いわゆる裏面史かね。

薩摩出身の大警視川路が、井上馨と対立しながら、各地の武士の新政府の反乱を陰で誘発させ、これを鎮圧するというのが、風太郎の筋書きだね。

A氏:たしかに廃刀令など、旧武士の新政府に対する不満は日本中にあったんだね。
  明治9年熊本の神風連の乱福岡の秋月の乱山口の萩の乱と続くね。
  そして鎮圧される。

  そして、同じ手口で川路は最後に薩摩の反乱西南戦争)を誘発させる。
  西郷は川路にとっては恩人であるが、見事な背信であると風太郎は指摘する。
  日本のフーシュだという。

A氏ジョゼフ・フーシュだね。
 フランス革命のときは、テロリストとして頭角をあらわし、ルイ16世はじめ多くの貴族をギロチンにかけたが、一転してナポレオンの時代となると、その警視総監になる。
  そのナポレオンが失脚すると、ルイ18世のもとで警視総監となるんだね。

:その川路は結核だったらしく、フランスに視察に行くが、明治12年、帰りの船中で吐血して、帰国後、数日で46歳で亡くなる。

  ところで、この本で西南戦争後の明治初期の2大事件として、大久保利通の暗殺藤田組贋札事件をあげているね。
  偽札が大量に出回ったのは、西南戦争がはじめ待った頃からで、特に関西が多かった。
  今の金額にすると数十億円くらいだったらしい。
  精巧な偽札なのでドイツからではないかと輸出業の「藤田組」が疑われ、明治12年藤田伝三郎が逮捕される。
  しかし、後に真犯人が内部告発で分かり、無罪釈放となるという事件だね。 
  これも新しい政府の中での政権争いを象徴しているようだね。

  この後、日清・日露の戦争の時代になるわけだね。

 






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Last updated  2010.01.11 18:47:26
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