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私:あまりにも軽く、あまりにも重い選挙だったというが、他方、民主主義が機能した結果だ、という声もあるが、嘆いているのは、政治家やメディア、大企業経営者など米国内のエリートや既得権益層で、その連中がふつうの人々の考えをわかっていなかっただけだという。
A氏:「トランプ氏は支離滅裂でも、支持する人たちの反乱には理がある」と選挙前に指摘したのは、フランスの歴史学者エマニュエル・トッド氏だ。 働き盛りの白人の死亡率上昇などに注目し「米国は大転換のとば口に立っている」と波乱の可能性を示唆していた。
私:開票翌日、トッド氏に電話するとトッド氏は、「当然の結果」と話し、「生活水準が落ち、余命が短くなる。自由貿易による競争激化で不平等が募っているからだ。そう思う人が増えている白人層は有権者の4分の3。で、その人たちが自由貿易と移民を問題にした候補に票を投じた」という。 むしろ「奇妙なのは、みんなが驚いていること」とで、「問題は、なぜ指導層やメディア、学者には、そんな社会の現実が見えないのかという点だ」という。
A氏:トッド氏は、グローバル化の失敗や、世界各国の分断を早くから指摘し、このブログでも下記のように、「トッド氏知的街道」ができていたね。
「分断される世界」、「グローバル化『国家復活』導く」、「展望なき世界」、「行きづまるグローバル化」、「分断、格差、乗り越え未来へ・朝日地球会議2016」と続く。
私:このブログの中で「行きづまるグローバル化」では45歳から54歳までの米国の白人の死亡率は、1999年から上昇していて、自殺や麻薬、肥満といったことが原因で、生活レベルの低下、退職後の不安といった、グローバル化による低賃金の労働力をめぐる競争などが、多くの人にとって耐えがたくなっており、これは、グローバリゼーション・ファティーグ(グローバル化疲れ)なのだと氏は指摘し、トランプ現象もそれを反映していると述べている。
A氏:また、ブログ「分断、格差、乗り越え未来へ・朝日地球会議2016」では、メディアはトランプ氏を「ウソつきだ」とこきおろすが、社会学的に見れば、クリントン氏こそウソつきで、彼女は、候補者指名受諾の際、「世界が米国を必要としている」と演説したが、そんな現実はなく、むしろトランプ氏の「米国は世界に尊敬されていない、米国は苦しんでいる」という言葉の方が真実だと、トッド氏はいう。
私:これは、スティグリッツ氏も同様で「世界の99%を貧困にする経済」、「保守とリベラル、進む二極化・岐路の米国」、「今週の書評から、ジョセフ・E・スティグリッツ著『世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠』、「分断された米国 不平等は必然ではない」や「格差が深める米の分断」米国社会の変質を分析する社会学者、ロバート・パットナム氏へのロングインタビュー・」でもふれているね
指導層が現実を理解していれば、人々に寄り添いつつ、もっと理性的な候補を出せたかもしれないが、できないまま差別感情をあおって支持を集める人物に選挙を乗っ取られ、深刻な分断を放置した社会では民主主義はきしむという。
米国の転換は現実を直視した方向に進むのだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.11.14 22:53:20
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