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私:どこの国でも、公式発表された最高権力者の決定の背後にある事情は、ベールに包まれている。 それを著者は、米主要メディアとともにホワイトハウス中枢に入り込み、一枚一枚、皮を剥ぐように真実に迫っていく。 ホワイトハウス内の暗黙の取材ルールを体得し、英語を克服し、最後は度胸で重い扉を一枚一枚開けていく。
A氏:評者は、その中で「ロシア疑惑」と「オバマ大統領の広島訪問」の箇所をとくに秀逸だとしている。 日本では「ロシア疑惑」というと、トランプ政権のスキャンダル的な側面に興味が行きがちだが、問題の本質は、米国の大統領選挙結果が外国(ロシア)の介入により左右されたか否かにあり、しかも介入を招いたのが現職大統領だとすれば前代未聞であり、米国民主主義の根幹を揺るがす深刻な事態。
私:米国での捜査に絡み、「ロシア側で関係者が何人も殺されている、その死者たちの足跡を追うべきだ」とFBI元捜査官が証言するくだりは圧巻で、この問題の闇の深さを窺わせるという。
A氏:ロシアは複雑な問題によく暗殺がからむが、この問題にも登場しているんだね。
私:トランプ政権とは対極のオバマ政権による統治の本質も描いている。 それは、米国内の反対を押し切ってオバマ大統領が広島を訪問したことだ。 それは、日本に歴史と向き合い、近隣諸国との和解を求めたオバマが、今度は米国が歴史と向き合い、核軍縮への決意を改めて示す、象徴的な機会として広島訪問を位置づけていたからだという。 著者はこれを、大統領最側近のベン・ローズから引き出す。 高い理想主義の一方で、それを周到に実現する卓越した政権運営能力。 日本は、そこから何を学ぶことができるだろうかと評者は指摘する。
同時に、高い理想主義の一方で、それを周到に実現する卓越した政権運営能力がトランプ大統領に欠如しているということか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.09.25 10:17:16
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