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私:12月の日銀短観では、企業の景況感の改善が続いていて、大企業・製造業の業況判断指数が5四半期(1年3カ月)連続で改善し、11年ぶりの高水準となった。
そこで、人手不足を現実に補っている外国人の技能実習が問題になるが、今日の「けいざい+」欄では、昨日の「外国人技能実習の幻想、零細企業中心、賃金未払いも」に続き、連載で技能実習を取り上げている。
A氏:製造業ではあるが佐賀県江北町にある靴下製造「イイダ靴下」(本社・奈良県)の工場では、30人のベトナム人の技能実習生が働いている。 約100人の日本人従業員の平均年齢は60歳近く、「生産性」は若く手先が器用なベトナム人が高く、彼女たちがメイド・イン・ジャパンをつくり、日本人の雇用を支えているという。 若い日本人が来てくれなかったという。
私:「力仕事」の現場でも実習生の存在は大きく、埼玉県上尾市の左官業、日下工業の日本人従業員は25人だが、半分以上が60歳以上で、最高齢は75歳。
日本人は雇っても雇っても辞めていき、肉体的にきつい左官を選ばないという。
約10年前から技能実習生を受け入れ、いまはフィリピン人とベトナム人の3人が働く。 最低賃金でも真面目に働いてくれ、残業もいとわず、実習生なしには仕事が回らないという。
A氏:加速する人口減を背景に人手不足がますます深刻になっていて、海外展開が難しい中小企業やサービス産業にとって技能実習生はいまや大黒柱。
問題は、最長でも5年という期間限定の「一時しのぎ」に頼り続けることができるか、だ。
私:昨日のブログでもふれたが、ほとんどの実習生は、多くのお金を稼ごうと日本に来ている。 しかし、ベトナム、ネパール、フィリピン、中国などの国内賃金は上昇している。
中国人の実習生の新規入国者数は13年に前年を大きく下回り、16年は約3万3千人と前年より約5500人減っている。
人気の陰りを実感している一人が日下工業の桑田専務で、「うちに来る実習生も第1希望は別の国だったケースが多い。働く場所を選べるとか、制度を改善しないと、いずれ日本に来なくなる」と心配する。
A氏:外国人受け入れ問題に詳しい日本国際交流センターの毛受氏は「このままでは日本のもの作り技術の継承者がいなくなる。企業も、優秀な実習生が後を継いでくれるなら一生懸命に教育する」と強調し、「日本に必要なのは新たな消費者であり、税金や年金をしっかり納めてくれる人だ」として、有能な実習生には日本定住を認める制度への改変を提唱する。
私:イイダ靴下で実習生として働き、帰国した女性は111人だが、縫製に携わっているのはたった4人で、最多は給料が高い日本語教師の約20人。 イイダ靴下の飯田会長は「彼女たちが幸せならそれで良いではないか」と納得しているが、「実習生は脂がのりきったところでサヨナラ。10年とか働いてもらえると大変な戦力になる」という。 この特集記事を書いた記者たちは「『技能移転による国際貢献』という幻想に真正面から向き合うべきときだ、との思いを強めている」としている。
それは、「移民」問題に、真正面から向き合わうことでもあるね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.12.16 16:24:55
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