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湘南フレンチ奮闘記

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January 17, 2007
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カテゴリ:料理・食べ物
これも忘れるわけには行かない、クルミだ。
山には三種類の胡桃の木がある。
代表格は鬼グルミで沢ぐるみ、姫ぐるみとある。

野生のクルミは山間部の沢沿に広く分布している。
それこそ河口付近から山のかなり高い所まで自生しているのだが、これまた採取には手間と時間が掛かる厄介な代物だ。

丹沢山の場合、山は小さいのだが起伏が激しく、採取には危険が伴なうところばかり・・
そこで富士山の裾野まで足を伸ばす事になる。

採取時期は8月末から10月の末までで、早く熟す木から拾い集めるが大量に集める為、一番時間を費やす仕事になる。
おまけにこの時期の採取には薮蚊やブヨ、蜂などに襲われる事もある。

このクルミ、木に下がっている時はまだ未熟で、リスが触って落ちる位熟すのを待たなければならない。

台風の風などが吹いた後などが採取の最適期でかなりの量を拾い集めることができる。
集めた胡桃はまだ回りに果肉が付いた状態だが水を掛けながら足で踏んでやると綺麗に剥ける。

剥けない奴は未熟な果実で、これは割っても果肉は青臭く使い物にはならない。
自然界は本当に良く出来ていて、無理やり打ち落とした物はまだ未熟で食用にはならないのだ。

大体一年で200キロは必要だが、一口に200キロと言うが物凄い量だ。
用途はフルーツケーキに用いたり、ソースの香り出しや、自家製チーズの口直しに用いる。
そうそうゴボウと組み合わせ、味噌で風味を付けた「ゴボウのタルト」は人気がある。

このクルミ、栽培種とは違い中身は少し・・・一個から一グラム平均しか取れないし、又割るのも大変で、クルミ割り器などは通用せず、鉄の台の上に指先で固定してハンマーで割らなければならない。

割れるときには指先にビシッ!と衝撃が伝わる。
1個2個なら我慢が出来るが、100個単位となると軍手で指先を保護しても痛さで痺れが来る。


本当に集めるのも苦労だが割るのも一苦労、仕込みに500グラムの実が必要となれば500個と傷み分を足し、580個は割る必要がある。

数割るうちに、胡桃を固定する指先は痺れてくるし、気を抜くと胡桃を外したハンマーが指を襲うことになる。

割り終えれば、殻から実を取り出すのだが、栽培品種のようには剥けず、これまた一苦労で、新しいクルミは中々殻から抜けてくれない。
仕方なく竹串を用いほじくり出さなければならない。

更に剥きだした実から殻の破片を取り除く作業がある。
美味しいケーキもカリっと殻を噛んだのでは美味しさが半減してしまうからだ。

この胡桃も自然界ではその年の陽気に大きく左右されてしまい、去年は日照不足で不作、幾らも採取する事が出来なかった。
落ちている実を踏むと、グシャと硬い殻まで潰れるのだ。
中身が育たないまま時期が来て落ちたのだろう。
仕方なく去年の在庫を細々と使っている。

これが自然界、ままならない ・・・続く・・・

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Last updated  January 17, 2007 10:17:42 AM
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