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湘南フレンチ奮闘記

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February 9, 2007
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カテゴリ:料理・食べ物
トラギスという魚がいる。
ハゼに似た魚で、釣りでは外道扱いの魚だ。

30年前は相手にされず、一キロ100円位で競り落とせた魚だ。

この魚があると好んで手に入れていた。
毎回買う私に魚屋が「オイ、一体何に使うのだ」と聞かれた時、うっかりと口を滑らし「実はピカタに、日本の天麩羅だね」と教えてしまった。

次回から値が上がってしまった・・・
雅に口は災いの元!だ、深く反省して後は聞かれても曖昧に話をそらしている。

こんな魚もあった。
イワシの小さいサイズだ。
イワシは15センチ位の呼び名を「ヒラゴ」と呼びその上を「中羽イワシ」
次が「大羽イワシ」となるが、15センチクラスのヒラゴは市場価値が無く、選別後籠に戻され海に捨てられていた。

だがこのクラスのイワシは癖が無く実に美味しい。
私は漁師に断り、ただで持ち帰えっていた。

これを開き、塩コショウで下味を付け、小麦をまぶし油でカラット揚げる。
後は野菜タップリのマリネ液に漬け込むと、味が染み込み日持ちも良い。
確かテレビ番組の「ザ 包丁人」に出演の時紹介した魚だ。

だがこれもいつのまにか市民権を得てしまい、今ではかなりの高値で取引されている。

魚でも肉でも野菜でも時代によって価値観が変わってくる。
それと使い手の認識の問題がある。

ウマズハギが大漁に揚り、足の踏み場もなくなるとそれこそネコマタギ!誰も馬鹿にして扱わないが、一旦テレビに紹介されると市民権を得て、魚屋後こぞって買い求める。

先のヒラゴイワシも、これは美味い!と言う話になれば、鯵並みの競値までのし上る。

私も山で鹿が射止められるようになると、結構大雑把な解体作業をし効率だけを求めて仕事をするが、なかなか獲れないハンターは肉一欠けらでも貴重で、彼らが解体した後はハゲタカでも見向きをしなくなるほど綺麗に肉をこそげ取る。

これも個人個人の価値観の相違から来る物だろう・・・続く・・・

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Last updated  February 9, 2007 11:16:20 AM
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