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淀風庵の酒詩歌日記

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2009年07月01日
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カテゴリ:詩情俳趣
 もう59年も前のことだが、昭和25年7月2日の未明、見習い僧であり大谷大学生であった21歳の青年によって金閣寺は燃やされた。

 この寺僧の犯行に至るまでの生活や考え方は、三島由紀夫の『金閣寺』(昭和31年)に描かれているが、吃音や生い立ちへの劣等感が根本にあり、老師への反感がつのるなかで、憧憬し畏怖する金閣を破壊したいという感情に至ったとの見方が、この告白調の小説から読み取れる。

 しかし、主人公の心の葛藤、哲学的思考はあくまでも三島のそれを置き換えたものであり、この若い僧のなしうるものではないはずだ。とにかく表現が堅く理屈っぽい点が印象に残る。

 結局、犯人は自殺するも逮捕されて獄中で身体の衰弱と精神の障害をきたして亡くなるから、犯行も精神状態の異常、恐怖感や狂気の中で超然たる美の象徴たる金閣寺を道連れにしたのであろうか。

 なお、犯人とは教員時代に会ったことのある水上勉がショックを受けて事件を調べ上げ、全貌を描いたノンフィクション『金閣炎上』があり、「寺のあり方、仏教のあり方に対する矛盾により美の象徴である金閣を放火した」との見方を示しているようだが、余輩は読んだことがない。

 半可通、浅学を承知で記しているついでに、この青年僧は、『日本文化私観』(昭和18年)や『堕落論』(昭和21年)など坂口安吾の本を読んで、強い感化を受けているのではなかろうかと思うのだが。
 いわば、古い権威の破壊、形あるものは美しくてもいずれ滅びて、また新生するという思想だが、すでに誰か指摘しているだろうな。

 そういえば、坂口の書いている大本教本部の大爆破、そしてかつて余輩が広報で関わった新興宗教の本殿やらの建物も跡形ない。





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最終更新日  2009年07月01日 23時44分49秒
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