一昨日の2時から天六のBにて、織田作の一番弟子を名乗った磯田敏夫さんの原作から映画化された『ネオン太平記』(1968年)について語り合った。30人ほどの参加。
磯田さんの七回忌(6月12日に逝去)を悼んでのイベントであったが、6年前一周忌でこの映画を観て主宰の井村さんとオダサク倶楽部との縁が出来た次第。
併せて磯田さん(無くなる1年前で85歳)を井村主宰が取材した記録映画(金秀吉監督)が上映されたが、織田作について語る貴重な映像である。
ネオン太平記の舞台とロケ地とも、アルサロ発案の磯田さんが支配人だった大阪千日前の「大劇地下アルバイトサロン」で、支配人を演じる小沢昭一の粘着質は磯田さんと共通のものがある。
物語の展開や小沢のハチャメチャぶりはオーバーだが、このサロンで1ヵ月ほどアルバイト・ボーイをしていた私にとって、当時のアルサロの喧騒な情景が懐かしく蘇ってきた。
ただ、この撮影はアルサロが爛熟から衰退への時期のものでもあってか、どぎつさ、あくどさを表面に出しすぎているきらいがあることを、磯田さんの名誉のために付記しておく。店内でバンドが奏でるけたたましい軍艦マーチなんてのも、私には記憶にない。
ボーイ当時に作って大学の文芸誌に発表した青臭く拙い日記風詩のプリントを参加者に配って、簡単に磯田支配人のことなど紹介させてもらった。
なお、若かりし頃の三国連太郎、西村晃、桂米朝、かしまし娘、野坂昭如、小松左京、渥美清(おかま役)など異色のメンバーが随所で登場するのも笑えてくる。当時の世相を捉えたドタバタ悲喜劇迷作といえようか。
ところで、磯田支配人のエスプリを効かしたキャッチコピーの名作はつきません。
酒は一合 女は2号
脱ぐ子は育つ
誠心誠意嘘をつく
二兎を追うものは一兎半を得る
鬼に金棒 福に泥棒 恋に辛抱
仰げば尊し わが客の恩
袋にボーナスが入っている 水着に女体が入っている
今日はメーデー 晩は酩酊