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テーマ:今日の出来事(292085)
カテゴリ:ビンボーヲジサン贅沢三昧
大阪の道修町は大きな薬種商の末娘として春琴が生まれ育った場所、そして琴・三味線の師匠となった盲目の彼女に仕える佐助と家を構えたのが淀屋橋筋。
谷崎潤一郎の名作『春琴抄』の講演と朗読の公演が、谷崎や船場の研究で一人者の三島佑一先生(四天王寺大学名誉教授)が代表を務める「船場大阪を語る会」によって催されたのが、道修町や淀屋橋近くの御霊神社・儀式殿と作品に相応しい舞台であった。 女性中心に200名の観客は、三島先生の講演では笑い、俳優座の岩崎加根子&中寛三さんの1時間に及ぶ朗読では静まり返って没入。間隙的に弾かれる琴、三味線とバイオリンの華やかさと哀調の音に聞き惚れた。上げ雲雀の鳴き声も表現されていた。 なお、映画では田中絹代と高田幸吉によるものを見たことがあるが、朗読を聴いているほうが、イメージが彷彿と湧く。 谷崎自身が、関東大震災後、関西に移り住み、惚れた船場の御寮さん、松子夫人に献身的に接しており、その身をもっての姿を春琴抄に描いたとの先生の話であった。善の神を信じないが、美の神を信じるという耽美的な谷崎の世界に陶酔できたことは至福である。 三島先生自身、道修町の薬種商の跡取りとして生まれられ、少彦名神社の脇に「春琴抄の碑」の建立にあたられている。また、梶井基次郎の檸檬忌の主催代表でもあり、堀辰雄も研究されている オダサク倶楽部の参与として、いろいろ教授いただいている。私より10歳上で、ご壮健ご活躍、励みとさせていただいている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年06月24日 10時53分38秒
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