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カテゴリ:想い出話
今更、七草のことを書いても周知のことなので 今日は、七草の思い出をいくつか書く事にする。 「NO.1 春の七種」 生まれて初めて「七草」のことを知ったのは 50年以上も前のことだ。 私は、幼少の頃から茶道を習っていた。 ちょっと風変わりな天才肌の家元が「七草」のことを教えて下さった。 「小正月の頃に七種の若菜を摘んでそれをたたいて細かくして 粥に入れて食べる。若菜を摘むのは女の子の役目だからね。 身体にも良いし、昔は冬場には緑の野菜は少なかったから 野に出て若菜を探し、春が近いことを喜び合う大切な行事なんだよ。」 「先生、春の七草と秋の七草があるのでしょう? どうして、春の七草の方が覚えやすいのですか?」 「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ と、ちゃんと順番があって覚え易いね。 それはね、春の七種の草は全部、食べられるから 一生懸命に形と名前を覚えたんだろうね。 比べて、秋は、ほとんどが花で食べられない。 つまり、人は食べる事に貪欲なのかもしれないね。」 「NO.2 向島百花園での七草」 それは、七草の日だった。 私は、向島百花園で七草粥を食べようとしていた。 その日は、朝刊も見る事無く、向島へと出掛けていた。 百花園のお土産を売っている場所で そのニュースは飛び込んで来た。 「昭和天皇御崩御」 昭和64年1月7日‥あの日は土曜日だった。 ショックなニュースだった。 ご病気平癒のために何度も皇居に記帳に行っていたので 御崩御の知らせは驚きだった。 向島の帰りに皇居前で車を降りた。 ひれ伏して泣いている紳士がいた。 夕方、母から電話があった。 「お父さん、部屋から出て来ないのよ。 どうしよう‥」 そんな人がたくさん居たであろう昭和64年の七草の日だった。 「NO.3 七草の中で」 「私は、あんたって七草のナズナみたいだって思っているのよ。」 「私のどこがナズナなのよ。」 「なんとなく‥漢字は難しいけれど呼び名は可愛いじゃない? ペンペン草だし、花はどんどん上に向かって次から次へ咲いてゆくし なんといっても花が終わったあとの形がいいじゃない? ハートだよ‥」 褒められたような貶されたような 少しくすぐったい感じもした。 今では、母は、そんなことを言った覚えはないと言うが 私はナズナなのだろうか? 薺 思い起こせば、母はこの難しい漢字を見ながら言ったように覚えている。 この漢字のどこが私に似ているのだろうか‥ 謎は深まる母との会話の思い出。 今年は「申年」 申年は騒がしい年と言われている。 年明けそうそうに、世界中が騒がしい‥ にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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