テーマ:今日のピアノ♪(713)
カテゴリ:ピアノ
こういう楽器でこういう演奏を聴きたい。 この2年間で生活と性格が変わってしまった。 あれだけコンサート通いが好きだったのに、地方と東京を往復していながらも何だか義務感のようなコンサート通いになっていることに気づいた。 気付けば、ここに記載しないと記憶していないようなコンサートの方が大半。 そんな中、たまに出くわす出色の名演と出会うことを楽しみにしていたのだが。 時間と金の浪費で(特には移動距離と移動時間)、生活も慌しくてくたびれてしまったというのが本音である。 出色の名演より地方にこもっていたほうが自分の心を保つことができた。 東京に戻れたのでそんな心も戻ってくるといいのだが・・・。 とまあ、近況報告を兼ねた1年ぶりの記載。 === 江口 玲 ピアノリサイタル(共演:矢野雄太) 日時:2015年6月19日(金)19時開演 場所:浜離宮朝日ホール 2列目左のほう。 【プログラム】 《第1部》 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 Op.13 「悲愴」 ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 Op.27-2 「月光」 ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 Op.57 「熱情」 《第2部》二台ピアノ 共演:矢野雄太 モーツァルト■2台のピアノのためのソナタ ニ長調 K.448 リスト■死の舞踏 S.652 《アンコール》 ラフマニノフ:WRのポルカ(矢野さん) スーク:愛の歌(江口さん) === 高木社長のはからいで、開演一時間前に3人のワインソムリエセレクトのワイン会が始まる。 クラシックのコンサート、慌しく駆けつけて、聴いたら帰っていく。 それでいいのかとイベント企画。 嬉しいではないか。18時前に掛け付けたら小数ながら入場待ち。 とりあえず3杯分のチケットを買ってチマチマ飲んでいたら、いつしかホワイエはワイン客で満員に。 コンサート前のこういう雰囲気大好き。 30分前開場だと、1杯飲んだら開演のベルが鳴って、おっとっとトイレに駆け寄り着席すると。 60分前だとこんなに余裕があるんだ。 一緒に飲んでいたマダムに、声が良いと誉められた。どこかの舞台であなたを見たことがありますよ・・・、と。 酔っているしまんざらでもない気分(笑) 悲壮と月光はローズウッドのスタインウェイ(ホロヴィッツが1986年にキャピトル東急で弾いたあれ)。 熱情はCD75(ホロヴィッツが1983年に持ってきたあれ). あえて書くまでも無いのだが、江口さんの演奏はピアノの個性を引き出しつつ、くっきりとした輪郭、堂々たるテンポ、感情揺さぶる音量コントロール、19世紀を思わせる不思議な内声をたくみに操り、1曲そして1曲と聴衆の興味を掻き立てる。 エッジのやや丸いローズウッドからCD75に変わるや一音一音胸を打ち抜かれるかのような鋭いサウンドに脳天までやられた。 クライマックスまで一気。こういう楽器と演奏、たまんねー。 第2部の1曲目。 CD75は矢野さん、ローズウッドが江口さん。 矢野さんは初めて聴くのだが、優れた躍動感と運動神経が若きティエンポのように感じられ(顔もいけてる)好感。 その向こうで楽しそうに江口さんがローズウッドを奏でる姿がなんともほほえましい。優しくもCD75に一歩も引けをとらない素晴らしい音。 圧巻は2曲目。江口さんがCD75. 冒頭のバスかただならぬ音をぶち込み、近くのマダムたちがこんな音聴いたことないとざわめく。 長くヘビーな楽曲だが豪華絢爛のテクニック、このピアノならではの爆発力(本当に爆発したような音がする)がホール隅々まで行き渡り壮絶超絶凄まじいのなんの・・・。 表現力足りずすみません、そのうちCDの収録されると思うので聴いてください。 アンコール、矢野さんの演奏は絶対ホロヴィッツからの影響を受けてると思わせるノリノリなポルカ。 ここで聴かせるポルカの躍動感は只者ではない若者の出現を感じさせる。 舞台上で江口さんにタッチして、オハコの愛の歌。CD75で聴けるとはたまんねー。 出だしの深みある低音はCD収録のスタインウェイ「F1」よりいっそう深く心臓に響いたな。 中間部を豪快に(そこまでやるか!というくらい)、そして静かなクライマックスまで熱演だった。 ここまで書いていて、やっぱり書くのは面倒だと思うのだが、良いコンサートだったので記録することにした。 こんなコンサートばっかりだと嬉しい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年06月20日 00時10分10秒
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