コチシュの堂々たるコンサート♪
ハンガリーの代表的ピアニスト、ゾルタン・コチシュ。6年ぶり?の久しぶりの公演です。日本で恐らくコチシュの名前を有名にしたのは、浜松の覇者、ガブリリュク。彼が弾く、コチシュ編のラフマニノフ・ヴォカリーズ。星のきらめきのように浜松の夜空を煌き、彼を優勝に導きました。現在でもレパートリーにしています。果たして、初めて聴くコチシュは、星が煌く王子様なのでしょうか。(知名度としては、もっと前からありましたけれどね)===6月28日(水)7:00p.m.東京オペラシティコンサートホール7:00pm. Wednesday,June 28 , 2006 at Tokyo Opera City Concert Hall モーツァルト:幻想曲 ハ短調 K.475モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第10番 ハ長調 K.330バルトーク:ピアノ・ソナタ Sz.80・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シューマン:アラベスク ハ長調 op.18ドビュッシー:ベルガマスク組曲1、 プレリュード 2、メヌエット 3、月の光 4、パスピエ ドビュッシー:アラベスク 第1番 ホ長調シューマン:8つのノヴェレッテ よりop.21-1,2,7,8座席位置・1列目センター左側===曲目が変更になりました。バルトークのソナタ→リスト・オーベルマンの谷■アンコールリスト:レーベルトとシュタルクの大ピアノ学校のためのアヴェ・マリア バルトーク:「子どものために」第1巻より、第1、2、3、5、13、14、18、20、21番===★レビュー★とても良いです。最初に感じたのは、上質のピアノ教師。モーツァルトの幻想曲は、右手のメロディーがとっても浮きだってきれい。伴奏も力強く、メロディーとの奏で合いがはっきりしています。これは、とてもわかりやすく期待できます。ソナタk330は、最近流行りですね。ツィメルマンも弾きました。(昨年ではプレトニョフやらランラン、ユンディやら、生&CDで堪能できます)最近聴いた中では、トップレベルにお勧めです。明確なメロディーラインに、細かな装飾音。ノンペダルで弾いていたかと思いきや、トリルを華やかにペダルを交えて強調。時には音を増やし、一楽章の最後はアルペジオで終える。聴きなれた曲をとても楽しく聴かせてくれました。唯一難点は、かなりのアップテンポ。弾き急ぎ?とも思えるほど、速い。装飾音も、それなりにぎこちなく聞こえるところもありました。前半の最後は、オーベルマン。プログラムが変わってとても楽しめました。左手がかなり効いているのですが、とはいえ、ホロ編の1966を期待している身にはさびしいものあり。巨匠を超えるのは難しいですね。===ここで休憩。ロビーでピアノデュオで有名な友人のY君と雑談。彼は、弾き急いでいる感が堪えられないそうで。安っぽく聴こえたとのコメントでした。彼の知り合いの、某雑誌の編集者(物凄く小顔の美女)も合流。彼女はとてもお気に入りとのこと。2対1で、コチシュの演奏を評価(笑)===後半、アラベスク、ベルガマスクと、面白いプログラム。巨匠が嫌がったノベレッテも完璧に。全体的にテンポが速めで、確かに安っぽく聴こえなくもない。ただ、相変わらずメロディーラインは明瞭で、音楽自体文句はつけられない。このホールの隅々に響き渡ったのではないかと思われます。(私は最前列のため、たまにうるさく感じることもありました)アンコール、拍手が鳴り止まず、2曲を披露。最後はすまなそうにお辞儀をしながら蓋を閉めて終了。写真で見るとこわもてに見えますが、実はとても笑顔のかわいいコチシュでした。