テーマ:ミステリはお好き?(1432)
カテゴリ:日本ミステリ(な行作家)
門限はなんと六時!超厳格教育で育てられた箱入り娘のハコちゃんこと浜口美緒。 両親を説得し、やっとのことでアメリカ旅行の許可を得た。 両親の目を盗んで大学の仲間が壮行会を開いてくれた出発前夜、家に帰ると部屋に見知らぬ女性の死体が! 男性陣が駆けつけると、こんなトラブルに巻き込まれて旅行が中止になってしまっては、と興奮したハコちゃんは、喉にナイフを当てこういった。 「この死体を捨ててきてくれなければ、わたしは死ぬゥ!」。 とんだ難題の処理が大事件に発展し…。タック、タカチ、ボアン、ウサコ、キャンパス四人組が挑む第一の事件。 こいつは何てやつだ、と怒りさえ覚えるような人たちが出てきますし、いくら何でもこれは変じゃないかと首をかしげる展開もありつつ、テンポのいい文章に引っ張られて最後まで一気に読んでしまいました。 結構陰惨な事件ですが、それを救うのが大学生4人組のキャラクター。特にタカチとボアン先輩のキャラが光ります。ボアン先輩が暴力に対して戦わずに勝利する場面は秀逸で笑えます。タックは鋭い妄想(?)を披露しますが、意外に地味です。これからが楽しみとも言えるでしょう。 一生懸命考えてトリックが解けたつもりでいましたが、そんなに甘くない。さらに切れ味鋭くどんでん返しがあり驚かされました。 哀しみ漂う結末なのに爽快感を覚えるところが、私の好きな青春ミステリならではでしょうか。 とにかくこのシリーズを読み始めたばかりだということがうれしくてなりません。まだまだ先に楽しめるものがあるんですから。 ただ一つ心配なのは、ひたすらお酒を飲んでばかりいるタックとボアンの肝臓が持つのだろうかということです。 彼女が死んだ夜 : 西澤保彦 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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