テーマ:ミステリはお好き?(1432)
カテゴリ:日本ミステリ(な行作家)
匠千暁達が迷い込んだ無人の山荘。家具も内装もないからっぽの室内にあったのは、一台のベッドと、なぜかクローゼットに隠された冷蔵庫の中にある、冷えたビールのロング缶96本とジョッキ13個だけ。誰が何の目的で?匠千暁と仲間達はビールを飲みつづけ、推理に推理を重ねる。果たして真実に辿り着けるか。 山道を3時間歩いてたどり着いた山荘の冷蔵庫からこぼれ落ちた金色の光、印象的なシーンです。 タックたちは飲むわ飲むわ、ビールしかないのだから仕方ないとは言え、プシュップシュッという音が立て続けに聞こえてくるような気さえします。 普段はほとんど飲まないんですが、読んでいるうちにビールが飲みたくなってコンビニで買ってきてしまいました、エビスビールを。 おかげで章の名前がすべてビールの缶に書かれている言葉だということがチェックできました。(1箇所だけちょっと違うんですけどね。) 作者があとがきで書いておられるように、ハリイ・ケンメルマンの「九マイルは遠すぎる」の趣向ということで、わずかな手がかりから4人は推理や妄想をどんどん出し合っていきます。ここが見所ですが、よくもこんなに考え付くものだと感心してしまいます。 うれしかったのはボアン先輩は相変わらずのキャラクターで何度も笑わせくれたこと。 そして今回はクールに見えていたタカチの女心が垣間見れます。 麦酒の家の冒険:西澤保彦 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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