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2005年05月18日
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通称タックこと匡千暁、ボアン先輩こと辺見祐輔、タカチこと高瀬千帆―。キャンパス三人組が初めて顔を突き合わせた一年前のクリスマスイヴ。彼らはその日、女性の転落死を目の当たりにしてしまう。遺書、そして動機も見当たらずに自殺と結論づけられたこの事件の一年後、とあるきっかけから転落死した女性の身元をたどることになった彼らが知ったのは、五年前にも同じビルから不可解な転落死があったということ。二つの事件には関連はあるのか?そして今また、新たな事件が…。

このシリーズはゆっくり楽しんで読もうと思っていたのですが、とうとう我慢できずに手に取ったら、一気に読んでしまいました。

今回の推理はタカチが中心で、タックはタカチのつきそい的立場です。
一年前に飛び降り自殺した女性が持っていたように思えるプレゼントの包みを、なんとかして贈られるはずだった人に返そうと関係者を訪ね歩く二人。
見ず知らずの人のことなのに妙に執拗だし、珍しく感情的なタカチですが、その理由はどうも彼女自身の奥深いところにあるようです。

「彼女が死んだ夜」に続いて描かれる「親と子」というテーマがありますが、今回ますます怖い一面を目の当たりにすることになります。そしてこのテーマはこれで終わりそうもなく、この先タックたち自身の問題にも関わってきそうだという予感を抱かせます。

結局、同じビルで飛び降りが重なるという不可解でありそうもない事件は、複雑に絡み合いつつ、最後にはそれぞれが納得できる着地をみせているところは、素晴らしいと感心しました。

巻末の解説を私の好きな光原百合さんが書いておられるのですが、ボアン先輩を贔屓にしていることが私と一緒でうれしくなりました。

光原さんは名探偵というものには、常識や先入観を粉砕して真相をつかみ取るワイルドな「トリックスター」性と、事件に巻き込まれた人々を守り導く穏やかな「老賢人」性、両方必要だと思うが、ボアン先輩の行動こそはそれにふさわしいと述べておられます。

私はまだそこまで評価しているわけではありませんがw、あきれるほどたくましく厚かましいのに最後のデリケートな一線だけは絶対に踏み越えないというボンちゃんが大好きです。
このシリーズではずっと笑わせてほしいと思います。

それと、今回タックたちが初めて出会うシーンがあって、それがかなりうれしかったです。










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最終更新日  2009年05月21日 10時45分51秒
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