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2006年10月09日
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カテゴリ:日本ミステリ

永井するみさんの作品を読むのは初めて。ぐいぐい読ませる作家さんでした。
私の犯人予想は見事はずれましたが、犯人探しのポイントもなかなか鋭く、納得できるものでした。

ほとんど縁のないジュニアブランドのことや、ファッション業界について書かれているところも
、普段知らない事ばかりなので興味深かったですね。


プリムローズ殺人事件―殺害された少女たちが身にまとっていたのは、ローティーンに絶大な人気を誇るジュニアブランド、プリムローズの服だった。
清純で高級感のあるデザインは、プリムローズを身につけた少女の写真を売買する男たちをも生み出す。
亡くなった少女たちに果たして何が?
ブランドを守ろうとするゼネラルマネージャー、女性刑事、そして少女の母親、事件に揺り動かされる女たちを描く、著者渾身の長編ミステリ。



素材は大人同様に高級素材を使いながら、デザインは10代のかわいい女の子向けに仕上げた「プリムローズ」というジュニア・ブランド。
襟や袖口にファーをあしらったカシミヤのニットは3万円を下らないというんですから、何を考えているのじゃ、と思います。

それでも、少子化で子供一人当たりにかけるお金も増えつつある現代では、こういうことがあってもおかしくはない。(たぶん)

憧れの服を手にいれるためには必死で努力したり、手段を選ばない少女たち。
父親に内緒で、娘の願いをかなえようと目の色を変える母親。
一人娘を亡くしても、服を買い続ける母親。
「プリムローズ」に関わる女性たちが、微妙な心の揺れまで描かれています。

中でも、幼い頃のトラウマを抱えた女刑事・理恵と、「プリムローズ」を育て上げ、ブランドイメージを守ろうと必死で戦うゼネラルマネージャー・晶子、この二人の視点から、事件の核心がだんだん見えてきます。

プリムローズというブランドに執着する者たちの思いが交錯する物語。

子供のころからの夢を実現させるべく頑張って築き上げたブランドイメージが、殺人事件によって崩れていき、才能あるデザイナーとの温度差も感じてしまう晶子。
ひたむきな晶子の頑張りが、いつか報われればいいと思いながら読んでいました。



さくら草 さくら草 : 永井するみ








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最終更新日  2006年10月10日 00時18分41秒
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