テーマ:ミステリはお好き?(1451)
カテゴリ:日本ミステリ(か行作家)
俺は犬。 名はアロー。 赤茶色の身体に、頭から背中にかけて白い矢のような模様が入っているので、この名前になった。 東京郊外の小さな町、浮羅田町で暮らしている。 このところ、人間たちと俺たち飼い犬の間で話題になっているのは、犬の銅像の前に突然出現したゴボウの謎だ。 些細といえば些細なできごと。 だが、妙な点が多すぎるのは確かだ。 幼い柴犬・ボンタから依頼を受け、俺は渋々調査に乗り出した。 だが、俺を待ちうけていたのは、不気味な幽霊犬の噂と、ますます混迷していく謎だった。 その矢先、もうひとつの奇怪な事件が起きた。 犬の鋭い嗅覚と観察眼をもってしか気づけない「不可能犯罪」。 俺は、エキスパート犬たちの助けを借り、徹底的に謎を解明する決意をした。 プロフェッショナルな技術を持つ犬たちが、リードから放たれ、深夜の町を疾走する! クールでスタイリッシュ、笑いと涙満載のドギー・ハードボイルド。 内容(「BOOK」データベースより) 何だか字が大きくてすらすら読めるな~、と思っていたら、ミステリーYA!でした。(ミステリーYA!とは、理論社から出ている、若者向けのミステリー叢書。対象は小学校高学年から大人まで。) 作者自身が犬好きということがよ~くわかる、犬ミステリでした。 タイトルは、「ロング・グッドバイ」ではありませんからね(笑) 人間にとっては、ちょっとだけおかしなできごとも、犬の嗅覚をもってすると、その場所には誰も近づいていない完全な密室での事件とわかったり、死んだはずの犬の匂いを感じて、幽霊犬が出たかと疑ったり、まさに犬の世界のミステリです。 最初の謎は、伝説の名犬レノの銅像の前に突然植えられたゴボウのことでした。 誰が何のためにゴボウを植えたりしたのか? 幼い柴犬ボンタの依頼で、雑種犬のアローが捜査を始めます。(表紙の犬がアロー) 彼は、長老の元警察犬ウオッチに助言を求め、エキスパートの8匹の犬「G8」に集合をかけて貰いました。 G8はそれぞれ、穴掘りや鍵抜けなどのプロフェッショナルな技を持つ犬たちです。 彼らが深夜、一匹また一匹と集まって来て、大捜査が行われるところは見物です。 小学生にも読めるといっても、謎解きはなかなか本格的ですし、最後はハラハラドキドキ盛り上がります。 個性的な犬たちが沢山登場し、しかも先輩を敬い、後輩を温かく見守るという犬社会を形作っているところが楽しいです。 そして、ボンタの成長物語としても、微笑ましい流れになっています。 あとがきも、作者の飼い犬が書いているんですよ♪ 犬好きにはぜひおすすめです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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