カテゴリ:日本ミステリ(ま行作家)
でたらめな地図に隠された意味、しゃべる壁に隔てられた青年、川に振りかけられた香水、現れた住職と失踪した研究者、頭蓋骨を探す映画監督、楽器なしで奏でられる音楽。 日常のなかにふと顔をのぞかせる、幻想と現実が交差する瞬間。 美学・芸術学を専門とする若き大学教授、通称「黒猫」は、美学理論の講義を通して、その謎を解き明かしてゆく。 第1回アガサ・クリスティー賞受賞作。 内容(「BOOK」データベースより) エドガー・アラン・ポーを研究する大学院生の助手が語り手となり、若くてイケメンで天才の美学教授、「黒猫」が謎解きをするミステリです。 絵になります。 第1回アガサ・クリスティー賞受賞作ですが、血生臭さはなく、登場する魅力的な謎たちも、日常の謎といった趣です。 そして、6つの事件は、すべてポーの作品が下敷きとなっています。 「黒猫」は、美学を駆使して謎を解くので、ペダンティックな会話の連続に、楽しいながらも煙に巻かれたような気になりました。 美しいイメージが広がるけれど、もどかしくもあります。 助手は、「黒猫」に思いを寄せており、「黒猫」もまんざらでもない様子なのですが、それも、少々甘ったるく、もどかしいところです。 幾つか、ポーの作品のネタばらしがあるので、ご注意ください。 【送料無料】黒猫の遊歩あるいは美学講義 [ 森晶麿 ] にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年10月23日 23時47分54秒
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