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松風日記

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2021.05.06
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<フェニキアの征服(前332年)>

フェニキアは、現在のレバノンを中心とする海岸沿いにあり、古代文明発祥の地メソポタミアとエジプトとの狭間にあったことから、すでに前15世紀ごろから文明化し、都市国家を建設しはじめた。

盛んな海上交易を行い、地中海全域に植民都市を建設し、アルファベットなど古代オリエントで生まれた優れた文明をギリシアにも伝えた。

しかし前9世紀から前8世紀に、勃興してきたアッシリアに服属を余儀なくされ、つづいて新バビロニア、ペルシアの支配を受けながらも、海上交易では繁栄を続けていた。

多くのフェニキアの都市は、ペルシアに反感を持っており、アレクサンドロスは歓迎されたが、ティールは頑強に抵抗した。



ローマによる征服以前のフェニキアと植民市


<ティール包囲戦>

ティールは、フェニキア最大の都市国家で、大陸側にある旧市街と、海岸から1km海上に浮かぶ島である新市街に別れており、新市街は、島全体が城壁に囲まれた堅固な要塞となっていた。

アレクサンドロスは、この地域で最後のペルシア海軍の軍港となっていたこの島を落とすことを決めた。

島には約4万人の住民がいたが、女性と子供の多くは、植民市であるカルタゴに避難していた。カルタゴはまた、母市に艦隊を送ることを約していた。

アレクサンドロスは、新市街にある彼らの神殿に生贄を捧げさせてくれるなら、住民の命を助けようと申し出たが、拒否された。2度目の使者は殺され、城壁から投げ捨てられた。

アレクサンドロスは、怒って陸からの島の孤立化を命じた。

海から攻めることができなかったので、アレクサンドロスは、海岸から島まで土手道を建設しようとした。土手道は、投石機の攻撃が城壁に届くまでになったが、城壁からの攻撃と、ティール海軍の攻撃により、それ以上の延長は不可能になった。

アレクサンドロスは、投石機をそなえた50mの木造の塔を2棟建設して土手道の先端に据え、城壁と艦船からの攻撃に対抗しようとしたが、ティール側は、薪を満載して火をかけた木造船と艦隊でこれを包囲し、これら施設を焼き尽くした。

この失敗からアレクサンドロスは、海軍なしに島の攻略は無理だと悟り、イッソスおよび、支配下においたフェニキア諸都市から艦隊を徴発し、彼に賛同するキプロスと、ギリシアのイオニアからの艦隊を加え、223隻の艦船を得て制海権を獲得した。

マケドニア軍は、城壁に穴を開け、兵を侵入させ市街を制圧した。神殿に避難していた市民と王は、アレクサンドロスによって許された。しかしその他の住民は、奴隷として売られた。







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Last updated  2021.05.07 15:42:09
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