雨の火曜日に
今日は雨の予報、朝日のころは薄曇りだったのに、さっそく雨になった。一日、そんな降ったり、止んだりの天気だった。午前中、熱を出して当院に入院していた先輩医師が退院を迎え、多分、奥さんの指示だろう、私の部屋まであいさつに来てくれた。奥様が、開口一番「すみません、こんなゴミ屋敷の中で仕事をさせてしまって、全然、知らなかったもんですから、、、」そうなんだ、部屋の荷物の8割方は、この先生の私物で、しかも、古雑誌やくたびれたバッグなど、普通にはゴミと言ってもいいものかもしれないモノであふれている。私はかろうじて一人分の座るスペースで仕事をしている。私も狭いと思いながらも、見慣れてしまっていた景色だった。奥さんに初めて仕事部屋を見とがめられて、退院の喜びもつかの間、「どうするの、これ!」と言われながら、返す言葉もなく、「もう帰ろうよ」と下を向いて帰っていった。奥さんが「とりあえず、これは持ちかえって捨てます」と古い茶道具の入れ物を、持参したお菓子を入れていた紙袋につめて持ちかえった。いるよね、捨てることのできない上に、モノを増やす一方の人って。同じ今日、熱で入院していたいとこの子が退院したと聞いた。同じ退院でも、こちらは満面の笑顔だった。この差はトシだけからくるものではないな。ころころ変わる天気と相まって、面白いコントラストの一日だった。