おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘低リスク生活習慣の順守で長生き?’という報告です。
低リスク生活習慣因子(5種類)を多く順守するほど、総死亡リスクが低減し、米国民の平均余命が延長する可能性があることが報告された。今回の研究では、以下の修正可能な生活習慣因子(5種類)に注目。低リスク生活習慣因子とした。(1)食生活がAlternate Healthy Eating Indexスコアで上位40%にあること、(2)喫煙歴がないこと、(3)身体活動が1時間当たり中/強強度の身体活動(早歩きなど)を1日30分超行っていること、(4)飲酒が適量、(5)体格指数(BMI)が18.5~24.9kg/m2。
研究では、これらの低リスク因子の1種類を順守していれば、対象者に1点与えるという形でスコア化した。その上で、順守スコア0~5点の5群に分けてリスクとの関連を比較検討した。研究者らはまず、Nurses’Health Study(NHS)などから収集したデータに基づいて、低リスク生活習慣因子と死亡率の関連性を定量化した。ベースライン時に多くの低リスク生活習慣因子を順守していた対象者(スコアが高い対象者)ほど、やや若く、アスピリン使用率が高く、マルチビタミン服用率が低かった。
低リスク因子の順守スコアが0群と比べると、総死亡リスクの危険率は、順守スコア1群が0.79倍、2群が0.61倍、3群が0.47倍、4群が0.35倍、5群が0.26倍だった。癌による死亡リスク、CVDによる死亡リスクでも同様の結果で、低リスク因子を多く順守するほどリスクが低減していた。5種類の低リスク生活習慣因子を順守する人の平均余命は全く順守しない人と比べて、女性で14.0年、男性で12.2年延長する可能性があることが示された。米国では、心血管疾患による早期死亡の4分の3および癌による早期死亡の半数が、低リスク生活習慣因子不履行に起因している可能性があることが今回の研究により示された。
健康寿命および平均余命を延長する可能性は大いにあるが、これは個人の努力だけではなく、食品、身体活動、政策を取り巻く環境によっても決まることが過去の研究により示されている、と研究者らは言及した。その上で、「予防を米国保健政策の最優先事項にするべきだ」と述べている。
これらの項目は以前から長生きのためには守るべき事柄と考えられて来ましたが、その数が多ければ多いほど死亡リスクが明らかに低下するというのはなかなか衝撃的です。これらの事柄は自分自身で順守しようとすれば出来る事ではありますが、上述の様に国家としての政策として遂行していくこともその成果に大きく影響しそうですので今後はこの様な観点からも政策を立案していくことが重要かも?知れませんね。