土用の丑の日は平賀源内さんのおかげでうなぎである。広告の日と言ってもよいかもしれない。江戸時代の起源は北海道まで伝わったのかどうか、川魚の食文化はあんまり聞かない。北海道でもサケ、マス、ウナギ、鮎なんかは海水魚というよりもいわゆる遡上する魚で産まれたときには川、大きくなるのは海そして産卵して川で死ぬだから、もっぱら海だけというのではなく、私たちの土地柄に馴染んでいる魚たちなのである。サケは産まれた川に戻ってくるけれど、このところ港からから放す稚魚も多くなり、次第に遡上に必要な体力ある魚体の必要のないものに変化するのだろうかな。川からの放流であっても、戻ってくる個体数はいわゆる年級群別に産卵可能な魚の個体数推定はなされているけれど、やはり水温や天候で大きく漁獲量が変化する。
サケ、マスのように漁業の主たる対象となる魚たち以外の遡上性魚では、鮎は天の川あたりではかなり釣り人のもので人気があり、あまり振り返る人がいないものではヤツメウナギくらいだろうか。
まだ僕が小学生くらいだから、40年も前だろうか、檜山の利別川、ふとろ川、良瑠石川河口の周辺の海では「ナガベロ」というなんとも奇妙な魚?よく釣れた。これが釣れると本当に困った。グニュグニュした太い体、口はただのヒルのようなものがあるだけ、針を外すもなにもなく、ただトゲがあるから危ないとかなんとかで、ブルンブルンと振り回して岩にたたきつけてご臨終ねがい、ちぎって捨てていた。これがヤツメウナギだと知るようになるのは後年のこと。利別川等の護岸改修などで、ヤツメウナギの生息地である河床の泥砂帯が消えていき次第に姿を消したのである。もちろん上流の今金あたりではまだ獲れるし、厚沢部ではこの孵化技術を活かす試みが行われているが、養殖にいたるほど生態の把握もなされていないのである。
食べる人には結構好き嫌いがはっきりでる。油の強さというかフランス料理でも確かに存在するそうだが、シェフの腕次第だろう、でもこれはすばらしいというのはまず聞かないなあ。結局今日は長谷ストの焼き鳥だった。(画像は怖くないヤツメウナギ、撮りようによってはとてもキモイ)