現在の通常兵器と転用可能技術(デュアルユース)製品の輸出管理はどういう申し合わせに基づいて国際社会は協力しているのだろうか。ふと思いだしたのがワッセナーアレンジメントである。これは技術管理であり、会社員時代に結構お目にかかったなんともやっかいなものであった。国際技術関連の貿易や技術取引にからむと、いわゆる旧共産圏に向けてはこのリストチェックが不可欠だったからだ。現実に大きな会社であるならばまだ対応しきれるけれど、どうしてもという余裕のない会社や商社の場合は抜け道を探るかもしれないなと思った。
対北朝鮮などというのはまったく当時は思いもつかなかったけど、実際に日本の技術輸出管理はこの「ただの紳士協定」に依拠しているのである。
実は外部からはうかがい知れない存在でもある。オランダのワッセナーに1995年に誕生の地として、ワッセナーアレンジメント、オーストリアグループ、MTCR、ツァンガー委員会NSGの5つの組織からなりウィーンが本拠地である。旧来共産圏をねらい打ちしたCOCOMとは異なり、40カ国加盟で、しかもテロ組織も対象にしている、兼ねている北朝鮮は当然最も監視対象ではあるだろう。されど活動内容はやはりわからない。安保理制裁内容やPSIこれらとの監視活動の実態はどのように整合してくるのだろうか。ぼくもまだまだだな。