日本料理の出汁(だし)は素材の味と一体化したもので、なんとなくフランス料理のソースよりも、その素材との融合度合いが高いような気がするのである。鳥、豚は宗教的な禁忌を除いては世界中でも一般的で、牛はフォン・ド・ボーとしてフランス料理の定番である。でもソースそのもというと日本ではウスターやトンカツなどになっちゃうけど、こういう引き立て役の追加調味料とはちっとカテゴリーがちがうような気がする。むしろソースの中には出汁より醤油がはいってしまうような感じである。味噌だと出汁がない味噌なんてと思うのだが、使い方がもろきゅうみたいだとグレイビーソースなんかそんな感じであるとは思えるのだ。またブイヤベースだと結構日本人好みだけれど、そのままの海のごったにと言えばその通りで、これを活用して他の料理をとまではいってないと思う。
日本ではなんといっても海の素材である昆布、かつお・鯖節そしてこのブレンディング、定番系の煮干し、そしてさっぱりとしたあご(トビウオ)だしなどの海の幸から、透明度の高いもので素材の色合いをキープするものがある。当たり前の食事ではこの海の塩味を伏線とした出汁が日本での特徴であろうか。中国だと基本は鶏、貝柱、干しエビといったとこかな。
今回めずらしいなと思ったのが、この鮭だしである。悪くない。なんもおかずのない時には鮭缶に醤油かけて、ネギ刻んでご飯をほんとによく食べた。そのときの味と風味なのである。確かに鮭と昆布はザ北海道の海の定番である。
(画像は鮭だしつゆとがごめ昆布いりのそば:南かやべ漁協)