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カテゴリ:気になること
「グアンダナモ収容所で何が起きているのか」の出版記念講演を聞きました。グアンダナモ
は、キューバの前政権がアメリカに永久貸与した風光明媚な地で、アメリカは以前よりそこに基地を置いていましたが、9・11以降、テロをやる危険があると判断した人を拉致して監禁しています。ほとんどの人がテロとは無関係なのに、CIAが関係する航空機でアメリカ国内の法も世論も届かないところに運ばれ、拷問などの虐待を受けています。現在グアンダナモには400人ほどいると推測され、その中には、おかしいと声をあげた元収容所職員もいるそうです。無実と証明されて釈放されたカナダ人がアメリカで裁判を起こそうとしたところ、却下されました。 9・11以来、世界は変ってしまいました。アメリカでは6社がテレビを独占しており(日本でも法律が変えられてそういうことが可能になりそうになっています)、中でもFOXは政府寄りで、9・11当時、戦争賛美、外には話の通じない敵がいるというプロパガンダと次のテロ予告ばかり流していたので、主婦達はスーパーに銃を買いに走ったそうです。武器を持つとますます不安になるのだそうです。 人びとが不安にかられている間に、いくつかの法案が成立しました。 1)「落ちこぼれゼロ法案」(別名Back Door Draft法) 「学力が落ちている」→学校や教師に任せられないと国が介入→一斉テストのスコアにより予算を配分 成績の悪い教師をクビにする 高校に携帯電話番号を含む生徒の個人情報を提出させ、拒否すると助成金をカット。貧しい学校ほど拒否できない。その名簿の中でも貧しい生徒に軍のリクルーターが電話して勧誘する。リクルーターは身分の低い兵士で、リクルーターになるのが戦場に行かなくてすむ唯一の方法であり、ノルマを達成できないといやがらせされるので、うそをついてでも入隊させようとする。弱者が弱者にひどいことをし、その弱者が海外の弱者をいじめるというシステムになっている。たいていの兵士は時給500円程度の生活から逃れるための学歴ほしさ、軍の病院に自分と家族がかかることができる(健康保険のない人が4万7千人いる)という理由で入隊するが、実際には15パーセントしか大学卒業できる人はいないし、軍の病院も予算カットで次々閉鎖されている。イラクから帰っても、職もなく、ケアもなく、路上生活者になるものもいる。 2)格差を拡大するような法律 社会福祉がカットされ、医療費が高額なため、普通に暮らしていた中流の人も一度病気になると破産する。破産するとクレジット会社から派遣会社(ブラックウォーターUSAやハリバートンなど)に個人情報が行き、派遣会社が勧誘する。勤務地はイラク。軍事訓練を受けていないので殺されやすいが、戦死者にカウントされないし、イラク人を虐待しても軍法会議にかけられず、国際世論にも知られない。現在イラクには約10万人の民間人がいる。派遣会社はゴールドラッシュと呼んでいる。議会に軍を送るより経費削減になると働きかけている。ハリバートン幹部は「9・11以後の世界にはルール無用の世界がある」と言い、犯罪者引渡し条約のないドバイに会社を移転。 最初の段落のカナダ人は、エシュロンのフィルターにメールがひっかかり、あやしいと決め付けられたようです。CIAはその人の無実を認めてからも、自分達は間違っていなかったと主張しています。9・11以前には国は国民を守っていたので、何かあれば警察や裁判所に助けを求めることができましたが、9・11以後、国を越えた存在が国家と結託してしまい、国民が監視の対象になってしまいました。個人情報の一元化はどこの国でも行われているそうです。「安全保障」というキーワードには要注意です。 報道がコントロールされているので表に出てこないけれども、帰還兵たちとその母親たち、また、福祉カットと戦争がリンクしていると気付いた労働者たちが立ち上がり始めているそうです。 アメリカという反面教師があるのですから、私達はその轍を踏まないようにするべきですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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