スウェーデン情報・・・森の中のカフェ
前回触れたこの冬の寒さの厳しさは、いまだ健在。降る雪は留まることを知らないようで、下手をすると30センチは有に積もっているかもしれない。一昨日はマイナス20度近くまで下がったが、今日はマイナス2・3度とかなり暖かく、温度差が10度以上という波があるが、まだまだ当分休みごとにスキーを楽しめそう。最初の写真は日曜に彼と歩くスキーに出かけた際に撮ったもの。出かけた場所は、ストックホルム郊外に広がる大きな自然保養林地区で、中に点在する凍った湖の上に降り積もった起伏のない雪の上を滑られるため、スキーでの散歩にはもってこいだ。雪でどこが水で陸地なのだか境がなくなっているところを、スキー、ただ歩くだけ、釣り・・・いろいろな楽しみ方をしている人が行き来する。私達がこの場所でスキーやスケートをするとき、必ず立ち寄る森の中のカフェがある。冬の休日のみに開かれる、以前土地を持たない小作農民が住んでいた小さな農家を利用したもの。自然保養林の中に文化景観のひとつとして残されている建物を、この地区で活動しているオリエンテーリングのクラブが活動場に借りている。そこを利用し、活動のできない冬にメンバーたちが活動費作りに土・日自分たちで手作りのお菓子を持ち寄り、この休養林に運動をしに訪れる人々用に簡易カフェを運営しているのだ。長距離スケートをしていたときに、人の流れが森の中に吸い込まれていくのを辿っていって見つけた、地図や電話帳に載っていない知る人ぞ知る秘密のカフェ。出されるお菓子は形が違ったり、簡単なものばかりで、小屋の中もそっけないが、そのそっけなさがスウェーデン的でとても気に入っている所だ。・日本でのスウェーデン情報日本にいるスウェーデン人の友人から、いくつか日本で行われるスウェーデンの教育に関わるお知らせをもらった。このスウェーデン人の友人は、もう20年以上日本に住み、持続可能なスウェーデン協会という団体を作り、日本を舞台に環境に関わるスウェーデンの情報を広めることを通じ、持続的開発に繋がる社会作りを推し進めていこうとしている。粘り強く環境問題に関わってきているためか、かなりのネットワークを築かれているようで、近頃はどんどんおもしろい講座・スタディツアーなどを展開していて、彼女の活動の仕方をみることで自分の不甲斐なさを痛感することしばしばだ。知らせをもらった二つとも、私がスウェーデンに来て興味を持ち、少しばかりは首を突っ込んでいるのだが、それを自分の手で日本の人々に紹介する術と力を持っていないので、ともあれ、関心をもたれた方は是非足を運んでもらえると嬉しい。一つ目:スウェーデン自然学校の先生たちの訪問スウェーデンのコミューンには自然学校と呼ばれる、自然を楽しみながら野外環境の中で様々な方法で学べる特別な学びの場を持つ所が多い。通常の学校から特別にテーマを持って訪れたり、教員用のコースが開かれたり、一般向けのコースがあったりと社会に開かれた形の学校で、場所によって雰囲気も様々。そこで行われている実践をまとめ上げ、多くのマニュアルに近い冊子も出版されている。以前、西友のエコニコ大使として子供たちが送られてきたのをお手伝いした際に、一つの自然学校を使い、自然オリエンテーリングをやったりして使わせてもらった。その自然学校の先生方を日本に招待し、3月22日から30日の間に視察や講演の予定を組むらしい。まだ具体的に日程が決まっていないのだが、決まり次第お伝えするので、乞うご期待。二つ目:セミナー 持続可能な発展の礎―幼児期の野外活動の重要性と実践事例-日 時 2010年3月10日(水)17:30~20:00会 場 スウェーデン大使館講堂 (東京都港区六本木1-10-3-100)定 員 先着100人主 催 スウェーデン社会研究所、日本野外生活推進協会参加費 1,000円(当日)プログラム開会挨拶 スウェーデン社会研究所長 須永昌博 基調講演 アンダース・セパンスキー Anders Szczepanski(リンショッピング大学教授、スウェーデン野外生活推進協会理事)スウェーデンの野外教育理論の第一人者から、様々なデータを通して幼児期からの野外活動の効果や重要性について講演パネルディスカッション ―野外活動野の普及へむけて・課題と展望― アンダース・セパンスキー 高見幸子(スウェーデン野外生活推進協会理事、日本野外生活推進協会顧問) 阿部桂子(日本野外生活推進協会新潟県支部事務局長、元・保育園園長) 迫田圭子(立正大学社会福祉大学教授、保育園理事長)森のムッレ活動の紹介者やナチュラルステップの紹介者として高見さんをご存知の方も多いだろう。ここに来て最初の頃、高見さんの呼びかけに応じてムッレのリーダーの講習を受け、少しばかり日本人向けのムッレ教室をやっていたことが遠い昔になってしまった。私は、ムッレの対象の幼児より、学童期の子供たちを対象とするストローバレという段階の活動に学童を通して携わるようになった。そのための資格を取ったときに学んだのが、日本でプロジェクトアドベンチャーと言われている野外活動学なのだが、その第一人者がアンダース・セパンスキー先生。その先生の下で真剣に勉強したいと思っていたのだが、大学の場所がストックホルムから離れすぎていて断念。日本にいれば絶対聞きに行きたいセミナーなので、私の代わりに是非参加してほしい。