澁澤龍彦『スクリーンの夢魔』その7 ◆サド映画私見◆
◆サド映画私見◆おそらく、これが書かれた時には、パゾリーニの『ソドムの市』はまだ出来ていなかったのでしょう。なので『ソドムの市』に関しては言及がないのが残念なのですが、本当に背筋が凍るようなあの描写は実に見事であったと私は思うのです。【中古】 ソドムの市 /マルキ・ド・サド,アルベルト・グリマルディ(製作総指揮),ピエル・パオロ・パゾリーニ(脚本),セルジオ・チッティ 【中古】afbただ、時代の移し替えに関しては、やはり残念なような気はしていたので、以下の文には共感でした。 じつのところ、わたしが頭のなかで空想していたサドの世界の映画化は、端的にいえば、かつてアレクサンドル・アストリュック監督が撮ったバルベー・ドールヴィリイ原作の『緋色のカーテン』(日本版タイトル『恋ざんげ』) のような、あるいはルイ・マル監督の傑作『恋人たち』のような、異様に官能的な死の臭いにみちた、調子の高いゴシック的様式美の世界であるべきであった。むろん、サドの小説を映画化するには、いろいろな方法があるだろうけれども、わたしの趣味としては、以上のごとき、十八世紀のエロティシズムの雰囲気をそのまま濃密に再現してみせるような方法に、いちばん期待をかけていた次第なのである。 バルベー・ドールヴィイに関してはレビュー書いてますのでこちらから是非!【中古】 悪魔のような女たち / ジュール・バルベー ドールヴィイ, 中条 省平 / 筑摩書房 [文庫]【宅配便出荷】【中古】 恋人たち /ルイ・マル(監督、脚本),ジャンヌ・モロー,ジャン=マルク・ボリー,アラン・キュニー 【中古】afbバディムの『悪徳の栄え』は、未だに観るチャンスに恵まれず。すっっごく観たいのに! 評判がいまいちでも絶対観たい~~!! ジュスティーヌ役がカトリーヌ・ドヌーヴですしね。ちなみにマルキ・ド・サドの原作の感想はマルキ・ド・サド カテゴリ又はこちらから是非! そして『恋ざんげ』も観たいですっっっ!! こちら。2011.7.6黄櫻御殿読書部屋 【中古】文庫 ≪日本文学≫ スクリーンの夢魔 / 渋澤龍彦【中古】afb