![クマ2.jpg](https://image.space.rakuten.co.jp/lg01/88/0000393688/13/img31fabf92svlmj3.jpeg)
長野県で中学生を襲ったとみられるクマは翌日、猟友会によって射獲されました。40人で山狩りをしたということです。事件から丸1日たっても付近にいたということですから、よほど食べるものがなかったのでしょう。オス、メス1頭ずつだそうですが、ペアだったんでしょうか。
クマもそうですが、シカにしてもイノシシにしてもまたサルにしても、かつては里に下りて来ることはほとんどなかった動物が山から出てくるようになった理由はいくつか考えられると思います。開発で山を追われた、天候不順で十分な食料がない、人間が出した残飯やごみなどの味を覚えた―など。天候不順でさえ、温暖化にも原因があるとすればすべて人間がかかわっていることになります。われわれ人間の都合で、野生動物との距離が必要以上に近くなったと考えるべきでしょう。
その中で、家畜との関係を指摘する人もいます。農業の機械化で農家は以前のように牛馬を飼わなくなったことや小規模酪農家が廃業し、里山に牛が放牧されることがなくなったため、野生動物が人里へ足を踏み入れやすくなったというのです。実際、遊休荒廃地に酪農家から牛を借りて放牧したら、獣の被害が減ったとの報告もあります。機械化も転作も後戻りできない以上、野生動物との距離が狭まっていることをわれわれ人間が十分認識する必要がありそうです。