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異論・極論・直言――マスコミが言わない解説、提言

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2016.09.26
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カテゴリ:カテゴリ未分類
(実態とかけ離れている就活についての解説)
 就職活動については、大学生の重要なテーマなので、新聞、テレビ、雑誌、ネットなどで色々な人が解説したり、意見を言ったりしているが、採用を13年間担当した筆者の目からすると、その9割以上の話は実態とかけ離れている。
 テレビドラマなどで、就活塾などに行って、人事の質問にはどう答えるべきだなどと特訓を受ける様子が出て来るし、作り話のボランティア活動などで、一流企業の採用を獲得したなどの話が出て来ると、「違うんだよな」という言葉がつい口から出てしまう。
 まず、人事採用を担当したばかりの素人の面接官はともかく、採用を3年以上担当した人間は、学生の話だけで採点をする訳ではない。その人の顔、態度、行動様式、話し方など様々な角度から、その学生の実態、素顔を見ようとする。
 20年とか、21年間、その学生がどう育って来たか、その人の人生観や価値観は、また、仕事や勉強についての考え方などについては、塾や大学のセミナーで少しくらい特訓をしたからと言って、大きく変えられるものではない。
 就活塾やセミナーなどでは、「面接官の目を見て話をしろ」とか、「手は膝の上に置け」、「声は大きく、はきはきと話せ」などと言って、言ってみれば、枝葉末節の事が、さも大事なように説明され、指導されている。
 勿論、面接の間、ずっと下を向いたまま面接官の方を見ようとしない学生がいたら、それは論外だし、椅子に胡坐をかいたような座り方をしていたら、「家庭でどんな育ち方をしたのか」と思うが、そんなことは出来て当然の大前提の話で、人事担当者はもっと重要なポイントを面接を通して探っている。

(人事担当者でない人が解説するからピンボケになる)
 なぜ、人事担当者が考えていることと、就活評論家のような人の話に大きなずれがあるのかと言えば、解説者のほとんどが人事採用を長年やってきた人ではなく、就職情報会社で就活の営業をして来た人や、ジャーナリストで就職問題を取材して来た人間が説明をしているからである。
 筆者は長年、ジャーナリストをして多くの取材をした後、独立してフリーのジャーナリストになり、更にコンサルタントの仕事をして、企業の経営者や幹部の相談に乗る内、頼まれて企業の採用活動を担当するようになった。
 自分が大手マスコミで記者をした後、独立してフリーのジャーナリストになり、30年以上取材をして来て、自分の取材力や人を見る目などには自信を持っていた。しかし、自分がコンサルとして、企業の経営者や幹部と本音で話をし、その会社が抱えている問題などを議論する内に、企業の人がいかに記者という人種を信用せず、建前の話ばかりをしているかが、よくわかった。
 自慢ではないが、記者としてはかなり特ダネをよく取るできる記者と評価をされていたと思うし、企業や政治家、官僚の信頼を勝ち得て、他社が知らない、かなりきわどい話も聞けてきた積りでいたが、それでも、コンサルになって企業や官庁の人達と本音で付き合うと、いかに距離を置いてられていたかとか、真の意味で彼らが心を許していなかったかが、逆に良く理解できた。
 コンサルとして感じたのは、企業や役所の実態と、マスコミが報道することの乖離である。
 企業の経営者や政治家、官僚は進行形の話について、どこかのマスコミにリークして、記事を書かせ、その反応で、どうするか判断するという事をよくやる。反応が良ければ、「その通りです」と肯定するし、反応が悪いと、「観測記事で、そんな事実はありません」と対応する。
 つまり、企業や官僚、政治家がマスコミの記者を自分の都合よいように使っているのだ。

(マスコミが書く時には、その話は終わっているのが業界の常識)
 こうした反応を見るためのリークを除くと、新聞が「今、こんな事が業界で流行っています」という記事のほとんどが、その業界ではもう過ぎた話で、業界内の人間の関心事は別の事に移っている事がほとんどなのである。
 つまり、新聞が傾向などについて書いた事を、そうかと思って、それを参考の行動しようとすると、それでは、ビジネスとしては手遅れなのである。
 最近の事の例を1つ言えば、専門家の間では、日本での不動産バブルの崩壊がもう大分以前から言われている。それを最近の日経が少し書き出した。一般紙はまだ、そうした視点ではあまり取り上げていない。だが、かつてのバブル崩壊直前に起きた事と同様の事が、不動産業界で起き始めている。
 つまり、一般紙が不動産バブル崩壊というような記事を書く頃には、事態はもうかなり煮詰まった状態になっているはずである。それにもかかわらず、最近、官庁の発表で地価が上昇という話を新聞は一斉に書いた。これを見て、これから、不動産に投資をしようとしたら、大変な事になる。
 不動産の話はともかく、企業の人事担当者は仕事の性格上、どうしても、守秘義務があるので、人事を一定年数以上すると、どうしても、物事への警戒が強くなり、他人に本音の話を言わなくなるようになるし、記者が話をしている事について、違うんだよなと思っても、反論したりすることは滅多にしない癖がついている。
 だから、記者やフリーのジャーナリストが取材をして、色々見聞きした話を書いても、事、人事採用については、本質を理解してもらう事は稀なのである。

(採用の基準などには興味がない就職情報会社の担当者)
 採用を担当して就職情報会社の営業担当者とは、何人も付き合ったが、彼らは、多くの企業の人事担当者と付き合っていて、本人たちは採用の専門家と思っているようだが、でも、人事採用の実態はほとんど知らない。
 彼らは採用のスケジュールや、どこの会社がどんな日程で採用活動をしているかとか、採用で苦労しているかというような情報は多く持っているが、人事が学生をどういう目で見て、採用の判断基準にしているかについては、ほとんど関心がなく、知ろうともしていない。
 彼らの関心事は単に、就職関係で、少しでも多くの会社から仕事を得る事だけなのだ。だから、人事採用担当者が何を考え、どういう視点で、採用の判断基準をもっているかなど興味がないのだ。
 それでいて、採用の関係の仕事をしているので、自分では何でも知ったような気になっているし、大学など人事に関係ない人たちからは専門家として、仕事の依頼が来るので、自分なりの解釈で説明をし、仕事をしているという感じなのだ。
 大学の就職部の担当者は学生を指導する立場にあるが、多くの大学の就職部の人と付き合った経験から言うと、実態を理解し、学生を適切に指導している人は極めて少ない。
 そして、実態を何も知らない、大学の学長、教授、企業経営者団体のトップたちが、採用について議論をして、スケジュールや基本的な考え方を決めていくのだから、学生にとって、不都合な事が決まって行く事が珍しくないのである。
 今年の就職戦線は6月1日が面接解禁という事で、マスコミは一斉にそう書いた。しかし、実態はずっと以前から事実上の面接は始まっていて、6月時点で内定を得ている学生は多くいた。
 そも、6月1日解禁という日程は最悪なのである。だから、ほとんどの企業が守らないのだ。でも、採用実務を知らない大学の偉い人と、企業経営者団体の長が話し合いをするから、こんなことになるのだ。
 
(企業が欲しいのは、地頭が良い人、臨機応変の人)
 10年以上、企業の採用を担当し、それぞれの会社で採用を3年以上やって来た人たちと一緒に、1日に学生を30人程、面接をし、その内、半分とか3分の1を次のステップに進めるという議論を夕方にすると、3、4人で面接をしていて、選考に残す学生について、意見の違いが出るのは、10人、15人の学生の内、精々、1人か2人である。
 その意見の違いも、こういう意味で、誰誰を残したいという異なった意見は、他の採用担当者にとって、説明されるまでもなく、理解できる話なので、意見の違いについてのすり合わせは、数分で済んでしまう。
 人事採用担当者が採用したい人を一言で言うと、「地頭が良い人」「英語でいうスマートな人」(日本語でいう臨機応変な人)である。
 地頭が良いというのは、大学のブランドが良い事とイコールではない。一流大学の学生でも、必死に受験勉強をして入った学生で、地頭が必ずしも良くない学生は結構いる。それは東大でも、京大でも、早慶も珍しくない。
 逆に、大学のブランドが今一つでも、スポーツなど学業以外の事に熱中していたとか、受験に失敗したとかで、その他大学でも地頭が良い学生はいる。
 地頭が良いと、入社後の教育研修に苦労しなくて済むし、入社後、どの部門に配属しても、それなりにきちんと仕事ができる。また、入社後、会社の事情で配置転換をして、全く違う仕事をしてもらっても、直ぐに対応できるのだ。
 筆者が採用面接で接した学生で、こんな人がいた。上位の大学で3年間で、普通の学生の1.5倍くらいの単位を取っていて、しかも、成績はほとんどAだった。
 その学生に「どうして、そんなに多くの単位を取ったの」と聞くと、「多くの事の興味があり、できるだけ多くの科目を取りました。学生の本文は勉強でもあるし」という。
 そこで、「それだけ多くの単位を取り、しかも、良い成績を取ろうとすると、かなりの時間が取られたでしょう。部活やアルバイトなど他の行動は?」と聞くと、「授業に精一杯で、部活もバイトもする時間がほとんどありませんでした」と答えた。
 この学生は、その時点で落ちた。
 大学の初めの3年の内の1年目、2年目くらいの間は、そうした行動をしても良い。しかし、少し落ち着いたら、勉学以外の事に時間を使う余裕がないといけない。勉強だけをして来て、部活もアルバイトもして来なかった学生は、入社して他の人とうまくやっていけるとは思えないからである。
 バランス感覚を養う、多方面で自分を磨く、違う世界の人と接するなどという事は、とても大切な事である。

(表面を取り繕うのではなく、真の臨機応変)
 英語でいうスマート、日本語でいう臨機応変な学生は、マニュアル時代で、教師がいう通り暗記して育って来た人が多い、今の時代に本当に少ない。
 臨機応変であるかどうかは、学生時代にボランティアで何をしたとか、部活で何をしたなどという事とは全く関係ない。臨機応変かどうかは、学生が全く予想もしていない質問をして、その反応を見れば、一目瞭然でわかる。だから、筆者はボランティア活動だとか、部活の事などは聞いたりはしない。
 まして、「君の特徴を言って」とか、「君の強みは?」などというどこでも出そうな質問などはした事がない。こんな学生が答えを用意していそうな事を質問する事は、時間の無駄だと考えている。
 予想もしないような質問とは、例えば、四国の香川県出身の学生に、金刀比羅宮の話をして、「金毘羅って、元々、ワニを意味するクンピーラから来たという話を聞いたけど、知っている?」と尋ねるのだ。そこから、金刀比羅の話とか、弘法大師の話を聞いて行く。
 ほとんどの学生はそうした事は知らない。だから、質問に答える内に、その人の地が出て来るのだ。
 また、北陸出身の学生には、「北陸では、生活に本当に困ると、富山県人は△△になり、福井県人は○○になるというような話があるというけど、知っている?」と聞く。そして、「あなたはこの例え話をどう思う?」と質問したりする。
 こうした思いもよらない質問にどう対応するか、その反応の仕方でその学生を見るのだ。
 今の学生で少し出来る子は、臨機応変ではなく、表面を取り繕うということにかけては卒がない人が多い。小中高とそういう行動をして、教師の評価も良かったのだろう。しかし、学生時代には、表面を取り繕うことが出来ても、社会人になると、それが難しく、後々問題になる事が少なくない。
 少し前に、大手の旅行代理店で、学校から学生旅行のバスの手配を依頼された担当者が、その手配を忘れてしまい、学校に爆破予告のメールを送って、旅行を中止させようとして、バレたという話があった。
 また、東芝の不正会計問題は、社長が利益にうるさかったので、担当者が決算の数字をいじくって、数字の辻褄合わせをした事から出て来た事である。
 最近の築地市場の豊洲移転の「消えた盛り土問題」も、建設費がかさんで、どうしたら、予算を少なくするかという事で出て来た話だと思うが、いずれも、物事の本質を考えず、表面を取り繕う事で処理しようという子供の頃からの習性が出てしまったのだと思う。
 でも、面接をしていると、元々、臨機応変な人と表面を取り繕うのが上手い人とは区別がつく。にも、かかわらず、大手旅行代理店とか、東芝、東京都といった就職活動で合格するのが大変な就職対象に、こうした人が多く入社しているという事は、採用担当者の目が曇っていたのかもしれない。
 もっとも、採用を担当していると、経営幹部から、東大生を何割採れとか、早慶は何割欲しいというような要望が来て、人事採用担当も、採用で点がついたりしている会社が少なくない。だから、学生本人は今一つでも、東大生だから、まあ良いかというような意識で合格させる会社も少なくないのが実情でもあるのだ。





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Last updated  2016.09.26 14:33:29
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