260912 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ふうーのおうち (*^-^*)/

ふうーのおうち (*^-^*)/

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2003年10月30日
XML
カテゴリ:息子へ・・
私達が まあちゃんに 初めて会ったのは 盲学校の寮の一室だった。
息子と月を見上げてから 半年が経っていた。
「おかあさんの顔が 見えへん。」そう息子が言った時から
時計が 逆に回りだしたんだ。
医者が言った「生まれてこの方 息子さんは 右目で物を見た事が
ないんですよ。」
赤ん坊は 生れ付き遠視で 周りがぼんやりとしか 見えていないらしい。
それが成長するにつれて 正常になっていくのに 息子は左眼が
良過ぎて 右目を放棄した。
朝起こしに行く 私の顔は いつものっぺらぼーだった・・・
8年間もだ。
かなりショックだった。
医者は続けて言った、「目の成長は 3年生ぐらいまでです。後1年しかありませんよ。」
週に一、二回のリハビリでは 直らない。
私達は 息子を盲学校の寮に 入れる事にした。
そこに まあちゃんがいた。
まあちゃんは 生れ付きの全盲だった。
スタンドもない 薄暗い部屋で 点字の宿題をしていた。
私達も 暗く悲しかった。
次の瞬間までは・・・「こんにちは 始めまして。」ばかでかい声だった。
直ぐ近くに居るのに 距離感が掴めないらしい。
その後も まあちゃんは 大声で 喋り捲ってた。
次第に 私達の顔も 心もほころんで行く。
学校の見学も終え 随分遅くなったので 私達は慌てていた。
部屋に まあちゃんが居るのが見えたけど・・・声を掛けずに帰った。
数日後の 入寮の日 私と息子は 又悲しく心細かった。
その時、「おかえり。」
まあちゃんの大きな声がした。
「まあちゃんだ。」息子が駆け出した。
さようならも 言わないで帰ったのに 大きなお帰り 迎えられて
まあちゃんの「おかえり。」は 天下一品やな~
息子を預けての 帰り道「まあちゃん、まあちゃん・・・。」って
まるで幸せになる 呪文のように 心の中で 繰り返していた。
息子8歳 まあちゃん11歳の 早春の候。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年03月31日 18時31分03秒
コメント(0) | コメントを書く
[息子へ・・] カテゴリの最新記事


PR

カレンダー

カテゴリ

お気に入りブログ

水戸市くれふしの里… New! トイモイさん

蕗の下茹でには蒸し… New! ミソジXさん

☆ プチお出かけ・そ… きたあいりさん

The club room of an… edge ball 2号さん
パソってますか?  イプサム307さん
探偵の愚痴をきいて… tantou88さん

バックナンバー

2024年06月
2024年05月
2024年04月
2024年03月
2024年02月

© Rakuten Group, Inc.