ベガルタ仙台エコプロジェクトを取材しました
■ベガルタ仙台エコプロジェクトとは?「仙台スタジアムを日本一きれいなスタジアムにしたい!」熱い想いが,大勢の人々を動かしていました。 『ベガルタ仙台エコプロジェクト』が目指しているのは,仙台スタジアムから発生するゴミの削減です。 最大の特徴は,観客(サポーター)・ボランティア・環境NGO・チーム・企業など,いろいろな立場の市民が全員で協力しあって成果を上げていることです。2003年度から始まった若いプロジェクトですが,わずか1シーズンで,30%のゴミ削減に成功しました。全国レベルでの評価も高く,Jリーグの他チームや,野球など他のプロスポーツが「仙台方式」として参考にしています。東京の環境NPO法人が主催する「市民が創る環境のまち・元気大賞」では,奨励賞を受賞しました。 ■プロジェクト開始前はプロジェクトを始める前は,仙台スタジアムのホームゲームのゴミは,1試合につきゴミ袋換算で500袋以上もあったそうです。ゴミの処理費用は1試合約10万円にものぼっていました。プロジェクトによるゴミ削減が,環境美化だけでなく,ゴミ処理費用を減らす→チーム資金の有効活用→強化費などに充てることにつながります。 ■仙台方式その1 スタッフの完璧なごみ分別スタッフやボランティアのお弁当はおよそ10種類に分別。お弁当容器・お弁当のフタ・食べ残し・梅干の種・ストロー・紙パック・輪ゴム・わりばし・紙ゴミ・プラゴミなど。ひと手間もふた手間もかかる分別が,自分の出すゴミに対して責任を持つという意識を醸成していくようです。 ★チュウ/27歳/建設/営業事務ボランティアさん・警備員さん・チームスタッフなど,華やかな試合を影で支える人たちが,ゴミ分別を徹底していました。エコ活動への協力を呼びかける人たちが,お客様の目に触れない場所で率先してきっちり実践しているのを見て,すがすがしい気持ちになりました。■仙台方式その2 紙コップは重ねてかさを減らすかさばるゴミの代表選手・紙コップ。1試合に排出される紙コップ数は約5,000~7,000個にもなります。バラバラに捨てるとゴミ袋1袋に100個しか入らないのですが,重ねれば700個入るそうです。 こちらのボランティアさんは,もはや名人芸の粋(笑)■仙台方式その3 オリジナルタンブラー「かさを減らす」だけでなく、もとからゴミを減らすためのオリジナルタンブラー。 マイカップとして繰り返し使ってもらうことが,使い捨ての紙コップやプラスチックコップの削減につながります。オリジナルタンブラーの使用率は何と44%!熱心なサポーターが多いベガルタ仙台は,リピーターが多いのです。オリジナルタンブラーは,何度も試合に足を運ぶサポーターたちに確実に浸透していました。■そして・・・ベガルタ愛! 仙台スタジアムは“ベガルタ愛”にあふれたサポーターが作り出す独特の一体感に包まれています。 その空間で,ごみ削減のために汗を流すボランティアやチームスタッフ。 サポーターたちも,積極的に協力します。 (左)(中)ごみはきちんと分別。(右)専用のプレスでペットポトルをつぶす小学生の男の子。 ボランティアさんが優しく見守る。 「仙台スタジアムを日本一きれいなスタジアムにしたい!」という熱い想いで満たされたスタジアムは,年齢や職業などがさまざまな仙台市民が,環境について考え,行動をおこすきっかけの場所でもありました。 試合終了後に横断幕を持ってピッチを一周するベガルタ・チアリーダー。「スタジアムの感動と一緒にゴミも持ち帰ろう」 ★はるか/34歳/カウンセラーあるボランティアの方にお聞きしました。その方は,もともとサポーターとして仙台スタジアムを訪れていたのですが,ボランティアが一生懸命,ごみを分別したり回収したりする姿に心を打たれたそうです。そして,自分も仙台スタジアムを美しくするために,役に立ちたいと思ったそうです。繋がっているんだなぁ・・・「想い」や「行動」って。★聖(ひじり)/25歳/塾講師ごみ減量のために,大活躍するボランティアさんたちを子供たちはキチンと見ていました。彼らの姿は,ちびっ子サポーターたちのお手本になっています。小さい子供も一生懸命考えてしっかり分別していました!子供は大人がすることを自然に真似て学んでいくのです。 ★笹子(ささこ)/26歳/技術職試合直後の大混雑の中,ボランティアさんたちのナビでごみはスムーズに分別されていきます。さすが仙台スタジアム!と感心して見ていたとき,ふと思いました。「あれ?これってもしかして,職場の私?」私は,毎朝出社すると,数箇所のごみ箱を一つのごみ袋にまとめます。すると,分別が徹底されていないごみ箱が必ずあるのです。何度も朝礼で注意を喚起したけれど,ダメ。「気づいた人がやれば,それでいいの?」そうつぶやきながら,ごみを分別しています。一人ひとりの意識を高めること。少しずつでいいから,広めていくこと。ごみ問題を改善するためには,行動をおこすことが,何よりも大切だよね。「できることから,始めよう」私は,職場のごみ箱の前に貼紙を出すことから,始めることにしました。 ■ワケル君は仙台市「100万人のごみ減量大作戦」のキャラクターです。■仙台市ごみ減量・リサイクル情報総合サイト「ワケルネット」はこちら→http://www.gomi100.com/