「禿　禺儒」　の　徒然

今日は春分の日。

太陽が赤道の真上に在る日のよう。

朝日は真東から昇り夕日は真西に落ちる。

その結果、昼夜の時間が等しく12時間となるよう。

処で日本仏教ではこの日を、彼岸の中日とし、

この日を中心にこの一週間を「お彼岸」と表し、

先祖供養の行事に当てるよう。

では本当に「彼岸」と先祖供養に何かの関係は有るのでしょうか、

彼岸。

仏教発生の地インドのサンスクリット語では、

彼岸をpaara。と発音しその対としての、此岸をapaaraと発音表現するよう。

此岸・apaaraとは自他区別の世界、

所謂娑婆(sahmpati)、穢土世界を云う。

その対に在る彼岸・paaraと世界とは、

般若波羅蜜多(pannaapaaramitam。完全な智慧)にいうところの、

波羅と漢字表現される処である。

これは何を云うかとなれば、

区別分別に在るやの此の世界、娑婆(sahmpati)世界、

当時のバラモン教世界を超越した真理の世界、即ち彼岸のこと。

稀しくも今日災害に見舞われた地方に、

それは現れ在るかもしれない。

つまり人々は是までの自他世界、私事を捨てて生命の一点に集結し、

身を粉にしての活動に在る。

生命はそれを脅かすものには一致団結し立ち向かおうとする、

此の時自他区別分別は意識に無い。

それこそは生命本来の姿なのでしょう。

人間の生命、其処には何十兆個と云われる細胞がその生命の設計図、

遺伝子の指示に従い連帯連動しているよう。

そこに異端者は所謂癌細胞、それは生命を破壊の方向に向かわせる。

つまり仏教真理(satya。実在)に基づけば、

自他分別区別世界は生命の破壊の方向に在ると示唆するはず。

そして彼岸。

是は何も春分、秋分の年に二度の行事に在るものでは無い。

彼岸の意識こそは生命存在の真理であることを常に心したいと、

今日春分の日に思う。