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カテゴリ:記録/楽天イーグルス
さて、今回は先日予告した「嶋基宏捕手の盗塁阻止率」について検証していきたいと思います。
その前に本日1本目の記事はこちら「【戦評/補足】 ヤクルト2回戦。「6回までは今季1番の投球だったのにね」ブラウン監督もボヤく永井の投球内容とは?」 下記に楽天投手陣の許盗塁履歴を掲載しました(5/26終了時まで。以降、今季ここまで、という表現は5/26時点データでという意味です)。 表の「結果」の○は盗塁を刺した、●は盗塁を許した意味、「失点」は許盗塁が楽天の失点に直接繋がったかどうかを示しています。○なら失点に繋がった、×なら失点を防いだ。「勝利点」は盗塁走者がホームベースを踏んだ打点が相手チームの勝利点になったかどうかを表しています。○なら勝利点、×は勝利点ではない、ということになります。 予め断っておきますが、この表は1,2か所?抜けおちている部分があると思われますが(確認できているところは、ソフトバンク戦のどこかで盗塁1が抜けおちている)、再び調べるのが面倒なので、このまま掲載致します(もし御存じの方、発見された方いましたら御教示下さい。訂正致します)。 さて、今季は1試合に複数盗塁を許す場面が目立ちますよねぇ。確認してみましょう。 (カッコ)内は試合結果。 6盗塁・・・4/29H(●) 3盗塁・・・4/16H(●)、4/18H(●)、4/28H(●)、5/14C(○)、5/21G(○) 2盗塁・・・4/2H(○)、4/3H(●)、4/15L(●)、4/17H(●)、4/30Bs(○)、5/3L(○) 複数盗塁をされた試合は今季ここまで12試合で5勝7敗、勝率.417。負け試合につながっているといえます。6盗塁されたなんていう試合もありました...(ガクッ!) 盗塁走者が相手勝利点となってしまったのはそのうち4/3H7回1アウトから城所の盗塁のみ。しかし、複数盗塁は相手・味方両方に心理的な部分でかなりの影響があると思います。相手チームの士気を上げて楽天投手陣に対し心理的優位に立つことができる。一方、楽天投手陣は出塁されるたび走者の動きに一層気を配らなければならず、打者との対戦に集中できない等、容易に考えられます。 その12試合を対戦チーム別でみると、ソフトバンク戦が7試合と最多、その試合結果は楽天の1勝6敗。今季ソフトバンクとの対戦成績は2勝7敗の借金5、5/27終了時で楽天は借金が6。楽天がイマイチ浮上できないのはソフトバンク戦での負けがこんでいるからといえます。その敗因の1要因として盗塁数が挙げられますね。対ソフトバンク戦でのチーム成績はそのどれもが(得点、失点、安打数、本塁打数、三振、四球・・・)ソフトバンクの好成績ですが、盗塁も同じく。楽天は9個に対し、ソフトバンクは22個記録しています。 さて、ここまで楽天バッテリー陣は58回盗塁企図され、10回盗塁を刺し、48回盗塁を許しています。 許盗塁48の走者別内訳は 5・・・本多雄一(H) 4・・・川崎宗則(H)、松田宣浩(H)、片岡易之(L)、 3・・・城所龍磨(H)、長谷川勇也(H)、 2・・・多村仁志(H)、荻野貴司(M)、赤松真人(C) 1・・・糸井(F)、小谷野(F)、田中賢介(F)、G.G.佐藤(L)、中島裕之(L)、栗山巧(L)、高山久(L)、西岡剛(M)、坂口智隆(Bs)、山崎浩司(Bs)、後藤光尊(Bs)、中東直瑛(C)、石川雄洋(YB)、長野久義(G)、脇谷亮太(G)、小笠原道大(G)、荒木雅博(D)、野口祥順(S) これをみると前述のとおり圧倒的にソフトバンク勢が多いですね。5/27時点でのソフトバンクの盗塁数は73個。うち22個・30.1%を楽天が献上しています(多すぎ!)。にしても意外だったのはロッテの西岡剛や荻野貴司がもっと走っている印象があったこと。西岡は1個でした。 さて、盗塁走者が楽天の失点に繋がったか? 47のうち17回、割合では35.4%直接失点につながっていました。 さらに勝利点になってしまったのは3回あります。前述の4/3H。城所のニ盗の直後に小久保に本塁打を打たれそれが勝利点となりました(厳密に言うと勝利点ではないですがココは厳しくいきます)。4/13Lでは3-3の同点8回2アウトから片岡がニ盗に成功、原四球2アウト2,1塁で栗山に適時打を打たれて負けました。5/8Fでは0-0で迎えた10回1アウトから田中賢にニ盗され、森本の右邪飛で三塁タッチアップを許し、続く稲葉のサヨナラ打で負けました。 楽天の借金6のうち3つが盗塁が直接敗因の原因になっている試合なのです。この事実は地味ながらも重いと言わざるをえません。 さらに、今季の楽天バッテリー陣は暴投や悪送球、後逸が多いですね。盗塁時にそういうケースがあったかどうか調べました。5回ありました。4/8は糸井のニ盗時にラズナーが暴投、そのため1盗塁1暴投で糸井は三塁まで進み失点に繋がっています。4/16は嶋の二塁送球が逸れてしまい、そのため本多は三塁を陥れることに成功、その後の小久保の遊ゴで本多はホームを踏んでいます。4/18はまたしても嶋が二塁悪送球のため城所が一気に三塁へ。明石スクイズが失敗して城所は三本間の挟死となりましたが、一度自ら手放した勝利の女神はこのような僥倖でも再び楽天に微笑みかけることはなく、多村敬遠の後、松田にサヨナラ打を浴びました。4/28は嶋の後逸で長谷川が三塁へ。4/29は二度あることは三度あるで嶋の悪送球でニ盗の松田は三塁まで進み、犠牲フライで帰還しています。 こうしてみると、このようなケースもソフトバンク戦に多いですねぇ。この点も今季ホークスに勝てない要因の1つですね。 今度は投手別にみてみます。(カッコ)内はその時組んでいた捕手です。 10・・・ラズナー(井野5、嶋3、藤井2) 6・・・田中(嶋5、藤井1) 5・・・小山(嶋3、藤井1、井野1)、松本(嶋5) 4・・・岩隈(嶋3、藤井1)、永井(嶋3、藤井1)、辛島(嶋4) 3・・・藤原(嶋3)、川岸(嶋3) 2・・・モリーヨ(嶋2) 1・・・戸村(嶋)、山村(嶋) ラズナーはクイックが下手で盗塁されやすい投手ですが、田中や岩隈あたりはそんなことはありません。しかし、2番目に走られているのが田中の6個という事実などをみても、その原因は、嶋にあるといえそうです。 ■嶋の年度別盗塁阻止率 2007年 .365 2008年 .357 2009年 .286 プロ1,2年目は非常に高い数値を記録しており、強肩・好送球の若手捕手として注目を集めましたが、昨年は率を下げて.286。そして今年は5/25時点で.222と低迷しています(ちなみに4/23時点では.211だった)。 5/25現在のパリーグの規定対象の盗塁阻止率ランキングはこのようになっています。 鶴岡.400、細川.367、山崎.351、日高.308、鈴木.261、嶋.222、里崎.212、大野.200 今季はバッティング好調で5/27終了時で打率.302、規定打席にも到達し現在打率ランキング11位につけています(楽天ではノリさんについで2位)。この点は大いに評価すべき点ですよね。 しかし、ツイッターで交流のある楽天ファンの方が言っていましたが、そろそろ打率と盗塁阻止率を逆にすべき時なのでは?と思います(もちろん両方良ければそれにこしたことないですが)。 このように盗塁は直接得点に繋がらなかったにせよ相手バッテリーやチームを大きくゆさぶる効果があるのです。(それは昨年聖澤の盗塁があまり得点に結びつかなかったけど、聖澤の足を他球団に大きく印象づけ、相手バッテリーにプレッシャーをかけることにつながった点をみてもわかります) 捕手の守備は、山田勝彦バッテリーコーチのお仕事でしょうか? ぜひ二人三脚でプロ1,2年目に誇った盗塁阻止率にV字回復できるよう、キャッチング、スローイング、ソフトバンクの走り屋のクセなど研究して、危機感を持って練習に取り組んでもらいたいです。 ノムさんがルーキーイヤーから我慢しながらも使い続けた捕手なのですから、その素質はあるはず。ぜひ頑張ってもらいたいです。 ■楽天捕手陣が許した盗塁履歴(5/26終了時) -------------------------------------------------- ■本家ブログの過去記事はこちらをクリックして下さい。 ---------------------------------------------------- ■こちらのブログの過去記事はこちらをクリックして下さい。 ---------------------------------------------------- 現在ブログ村のランキングに参加中!みなさまの一押しが活力に!ブログ村「楽天イーグルス部門」5/25現在1位「野球部門」5/25現在95位! (^○^)/ にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年05月28日 19時08分12秒
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