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我を捨てなくてもいい。我は、人間であることの証。 我は人間である限り捨てることはできないし、捨てる努力はしなくてもいい。 欲や我があることを自覚すること。 「自分には、我がある」と認めて、人間にしかない理性を使って、 我をどう活かすかが大切。人間性の幅を広げる努力をすること。 包容力のある人間になる努力をすること。 欲も捨てなくてもいい。 物欲も捨てなくていい。 欲求・欲望は、命のそこから湧いてくるもの。感性が感じるもの。 湧いてきた欲求や欲望を、理性を使ってより人間的なものにする。 欲求・欲望を満たすためだけだと、人に迷惑をかけたり、 人のためにならないこともしてしまう。 人の役に立つように、人に慶んでもらえるものにするために理性を使う。 「寒さをしのげればいい」という考え方では、建築文化は発達しないし、 服飾文化も発達しない。 すべての発展には、物欲を人間的に品格のある洗練されたものにしていこう という意志があり、物欲を人間的な物欲にする努力が文化や文明を発展させてきた。 お茶を飲むという行為を洗練し、品格のあるものにしたものが、茶道。 商売も、そこに人間的な品格のあるものを加えると、商道と呼ばれる経営になる。 東洋の道の思想は、物欲を洗練し、品格のあるものにしていくものである。 我は、自己の存在証明であり、我を捨てれば人間の成長はなくなる。 物欲を捨てれば、文化や文明の発達はなくなる。 欲や我がなくなれば、人間ではなくなる。 大切なことは、我や欲を捨てるのではなく、すべてを肯定し、 自分には我も欲もあると認めること。 我をなくす不自然で、無理な生き方をするのではなく、 人間であることに対して素直になること。 その上で、「足るを知る」から、 「より高度な足るを知る」をめざしていく。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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