【中古】【書籍 ハードカバー】井上 夢人 ラバー・ソウル【中古】afb
引っ張るだけ引っ張っての最後のどんでん返し・・・
うーん。ずるい。
でも、後味はいいというか、切ないというか。
愛というよりは自己確認?
この世に生を受けたことを呪うしかなかったすずきまこと。
彼が初めて明日ということを意識させてくれた女性に
ここまで入れ込むのはなんかわかる気がします。
確かにアンフェアな結末ですが、
すずきまことがここまでした?できた?意味を知るには
長々長々引っ張ることが必要不可欠だったのではと。
生きている意味を考えたら生きるのがつらくなる人間っているんですよ。
考えたってどうにもならないのに。
でも、考えてしまう。
そして誰かに意味を与えられるともうそれだけで突っ走っちゃう。
なんていうのかなぁ。
親に愛されないとどうしてもそうなりがちなんじゃないかと。
無条件の愛なわけじゃないですか、親の愛は。
特に子供が小さいころは。
とにかく元気でいてくれさえすればと、多少馬鹿だろうが不細工だろうが、
親から見たら自分の子が一番可愛い。
そんな無条件の愛を惜しみなく与えられたら、
自分が生まれてきた意味とか生きていく意義をやたらめったらと求めて
苦しまないと思うのよね。
生きているだけでいいんだってちゃんと小さなときに親が教えてくれているから。
でも、そんな風に自分の子供を愛せない親もいるんだよね。
子供よりも自分が可愛い親。
そういうのって子供は敏感にわかるから。
そんなふうに育つと、やはり生きていくのがへたくそになっちゃう。
自分の存在価値を探すのに必死で人間関係を築くのがへたくそになっちゃう。
そんなことなど考えつつ、一晩で読みました。