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カテゴリ:古武術 八卦掌 太極拳
「無と有」の関係。
現代の「利用」は「有之以為利,無之以為用」(老子)から来ている。 8年ほど前、同門のベルギー人に八卦掌で円を歩くのには意味があるのかと質問されたことがあります。 拙い英語でなんとか説明をしたところ、納得してもらえたようですが、果たして自分が実際にその感覚を自分の物にしていたかどうかと言えば、疑わしいものです。 週末、ひさびさに北京でみんなと稽古を行いました。 団結湖公園は、年配者が多いため、弟子たちは朝陽公園に移っています。 土曜日は、15時から17時くらいまで、4年ぶりに再会した老弟子仲間5名で、団結湖公園で簡単に稽古をしました。 日曜日も、引き続き8時半から朝陽公園に集合。新弟子もそろって、とても賑やかになり、師父も大喜びです。 稽古場では、弟子としては私が最も年長さんなので、自分の稽古というよりは、他の弟子へのアドバイスや指導も兼ねています。 八卦掌の円周を回ることが、さきほどの老子の言葉と関係があると感じます。 「有之以為利,無之以為用」 武術は空間を重視します。空間を制する。空気を制する。 見える動きや線以外の部分が、実際に「用」となるのです。 ですから、まずは「有」から稽古を始め、型稽古、手の動き、足の運びを訓練してきて、ゆくゆくはこれらの存在を忘れた時に、初めて「用」が発揮できる。。。。 団結湖公園の池は完全に凍っていて、毎年のように氷の上で遊んでいます。 太陽が当たる所は若干溶けていましたが、30センチくらいの深さまで凍るようですので、大丈夫かな…。 みんなで乗れば怖くない…。標識に、「冰薄危険,請勿上冰」(氷が薄く危険。氷に上がらないように)とありますが、あまり意味はないようです。 八卦掌や太極拳は、最初はゆっくりゆっくり稽古を行います。 ゆっくり行うことで、感覚が研ぎ澄まされていくのです。 数ヶ月でできるようになろうなどと思わないことです。 習い事は、自分の一部となりますから、一生かけて付き合っていくものです。 1年、3年、5年、10年…。 自分の命ある限り。 時間というものは、長いも短いもない。 時間も、空間も(宇、宙)、すべては相対的なもの。 「太極拳十年不出門」とはよく言ったものです。 私にとって、10年はまさに基本功の段階。ここからようやくスタート地点に立つというもの。 まだまだ課題がたくさんありますから、じっくりと稽古に励んでいこうと思います。 伝統とは、一人の身体の寿命で繋がっているではなく、何千年と受け継がれていく「無」の精神である。 「有」はその時々の時代に合わせて「利」となるが、作用しているのは「無」なのだと…。 新年(甲辰)を迎える前に、新たに気持ちを引き締めていく想いです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024年01月17日 07時54分24秒
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