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円高・円安という為替レートの変動が、実体経済にどのような影響を与えるものかについての考察が入り乱れている。しかし、多くのマス・メディアの媒体において、経済学の理論及び日本経済の実態に照らして、正確にその影響度を予測した議論できているかといえば、怪しいものだ。

今週日曜日の本体ブログで説明したが、新宿会計士の見解は、

・円安は輸出産業にとって直接の価格競争力向上という効果をもたらす

・円安は輸入品物価の上昇を通じて、国内の代替品需要喚起を通じた国内需要上昇をもたらす

・円高の時に取得した外貨建有価証券は、円安になれば円建の価値が上昇する

といった、極めて当たり前の議論である。ただ、その一方で、我が国のGDPに占める輸出入の比率は、諸外国と比べると極めて小さい(輸出入の総額がGDPに占める「貿易依存度」は3割に満たない)。従って、ユーロ安がドイツに、ウォン安が韓国に、それぞれ多大な恩恵をもたらしてきたことと比べると、円安が日本経済にもたらす恩恵は極めて限定的だ。特に、輸入品の代替効果については、石油のように代替が利かない品目に対しては効果をもたらさない。

もちろん、現在は日本経済全体に対して輸出が占める比率は低いが、円安が進行すれば輸出が上昇するという「ノビシロ」が大きい点は事実だ。しかし、輸出主導での経済回復は、やり方を間違えれば、周辺国との貿易摩擦を生じさせるものであるし、一旦円高に転じたときに、急速な勢いで経済が縮小する事になる――現在の韓国のように――。

韓国やドイツのように、輸出主導の経済を構築する事は、為替レートという余計な爆弾を日本経済に抱え込むことになる。そして、アベノミクスが目指す方向は、輸出主導の経済回復ではない。あくまでも内需主導の経済回復なのだ。そこは間違えてはならない点である。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

では、新宿会計士としては、一つ目には日本経済が「円高の方が良いのか、円安の方が良いのか、どちらが望ましいと思っているのか」、二つ目には「今後のトレンドとして、円安は続くのか」、という、二つの質問を受ける事になりそうだ。

一つ目の質問については、こう答える。「短期的に行き過ぎた円高を是正する動きは正しい。但し、経済のファンダメンタルズ面を反映した円高は、最終的には日本経済を強くする。その意味で、長期的トレンドとしては円高が好ましい」。確かに、日経平均株価を構成するような銘柄には大規模な輸出企業が多く、こうした企業が最近の円安で一息ついていることも事実だ。そして、アベノミクスの財政支出とともに、日本銀行がバランスシートを拡大する金融政策を採用する事で、マネタリー・ベースは拡大する事が見込まれる。二つ目の質問については、「当面、円安傾向は続く」というのが新宿会計士の見解だ。但し、円安が進んだとしても、金融危機前の水準である1ドル=115円前後を超える円安となってくれば、諸外国(特にドイツ)からの圧力が強まってくることが想定される。

また、昨今の円高局面において、日本企業による対外企業買収が積極化したことも事実だ。しかし、既に日本は20129月末時点で2748074億円という対外純資産を抱えている。確かに国債の発行残高は巨額だが、そうした国債の発行残高は、莫大な家計の純資産残高の範囲内に収まっているという絶対的な事実もある。こうした状況で、リパトリエーション(資本の日本還流)が進めば、必然的に円ベースでの受け取りが増えてくるから、長期的には円安は持続できない。仮に自民党が夏の参院選を制し、アベノミクスが成功を収めてくると、逆説的だが、日本円は主要通貨に対して円高に転じるだろう。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

もっとも、米国の景気が回復して(あるいはバーナンキがFRB議長を更迭されて)、米FRBが巨額の量的緩和をアンワインドし始めるのが日本より早ければ、中期的にはなお、円安圧力となる。何より、為替の世界は、金融市場の思惑だけではなく、貿易や投資といった通貨の実需にも大きな影響を受けるものだ。ここに示した見方は、あくまでも一つの参考として捉えていただきたい。






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最終更新日  2013/02/07 03:00:12 AM
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