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▼あぁイタリアよ、何故そんなに不祥事が好きなのか? イタリア企業による不祥事が相次いでいる。シエナの銀行であるモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナが巨額のデリバティブ損失を計上した疑惑がもたれているほか、国際的な軍需産業大手のフィンメッカニカがインドで汚職に関わった疑惑が浮上しているという。ただ、不思議な事にフィンメッカニカの事件の全容を報じた日本語のメディアは存在しないらしい。モンテ・デイ・パスキの事件のみ、次のロイターの記事があったので紹介しておく。 ―――2013年02月 15日 13:37 JST付 ロイターより ところで、イタリアの元首相・シルヴィオ・ベルルスコーニが、極めて非常識な発言を行って世界中の顰蹙を買っている。 ■Berlusconi row over 'justification' of bribes ―――2013/02/14付 ガッツェッタ・デル・スード・オンライン 英語版より ―――2013/02/15 00:35 JST付 Bloombergより 一連の報道によると、イタリアの国際的企業・フィンメッカニカのインドの子会社が外国で汚職に関与したことに対し、ベルルスコーニ前首相は、「ある国の誰かに手数料を支払うだけのことだ。なぜ払うかと言えばそれがその国の規則だからだ」と凄い発言をした。日本人の感覚からすると、総選挙を直前に控えているタイミングでのこうした発言は、ベルルスコーニ氏の政党にとって逆風に働きそうなものだが…。 ▼新興国と先進国の最大の違いは職業倫理観 ところで、イタリアの企業がインドで贈賄を行い、イタリアの当局に摘発される分にはどうでも良いと考える日本人は多いだろう。しかし、ベルルスコーニの発言は、実は先進国企業が新興国で業務を展開する上で、極めて重要なリスクを示唆しているのだ。 例えば、ネット掲示板等を見ていると、日本企業が多く進出する某国においては裁判官の買収は日常茶飯事で行われているという指摘をよく目にする。例えば、政治的に腐敗しているA国では、裁判の勝敗を決める要素が法ではなく裁判官への接待度合いだと仮定しよう。グローバル展開する日本企業としては、自社のブランドが剽窃されているのを差し止めるための訴訟を起こしたとしても、現地で裁判官の買収を行わなければ勝訴できないとしたら、どうするだろうか? ベルルスコーニ氏自身はイタリアの実業家でもあるが、彼が発言どおりの人物であれば、躊躇なく裁判官の買収に関与するのだろう。しかし、仮に新宿会計士が日本企業の経営に関与していたとしたら、日本の職業倫理の遵守を現地企業に求めるだろう。「汚職など到底許せない」、という感情的な理由によるものではない。日本国の法と倫理を犯す可能性を懸念しているからだ。 一般の市民が、日本の某企業が某国で裁判官の買収に関与していたと知ったら、どんな印象を持つだろうか?日本の市民であれば、おそらく眉をしかめるのではないだろうか?日本国内の法律に違反していないからといって、国外では平気で汚職に関与しているとすれば、そのような企業は日本国内で猛烈な社会的制裁を受けるだろう。 ▼新興国でも職業倫理感を軽視するな 某日本経済新聞あたりを読んでいると、日本は少子高齢化のため、国内の市場の成長は頭打ち、なのだそうだ。新興国への国際的な事業展開は不可避だということだろう。もちろん、「郷に入れば郷に従え」という格言は存在する。しかし、だからと言って日本人の高潔な職業倫理感を放棄して良い、ということではないだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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