672204 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

新宿会計士の政治経済評論 -> https://shinjukuacc.com

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

サイド自由欄

読者の皆様へのお知らせ


当「新宿会計士の政治ブログ」は2014年9月4日以降、無期限休刊となっており、今後の更新の予定はありません。「新宿会計士」は引き続き、下記ウェブサイトにて「読んで下さった方の知的好奇心を刺激する」目的による情報発信活動を継続しています。
↓↓↓よろしくご愛読ください!↓↓↓

新宿会計士の政治経済評論

バックナンバー

2024/06
2024/05
2024/04
2024/03
2024/02
2024/01
2023/12
2023/11
2023/10
2023/09
2013/04/09
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類

▼日経の鈴置高史氏、韓国を論じる!▼

久しぶりに、読み応えのある本を手にした。韓国問題に詳しい事で有名な日本経済新聞社編集委員・鈴置高史氏の力作だ。

■中国に立ち向かう日本、つき従う韓国2013/02、日経BP社 ISBN: 978-4822274146

「知韓派」ジャーナリストと言えば、「韓国を愛している」と公言して憚らない産経新聞社の黒田勝弘氏が有名だ。しかし、地政学的な観点から日韓関係を論じさせれば、むしろ冷徹な鈴置氏の議論の方が、当職にとってはスッと馴染むような気がするのだ。

▼今や日韓関係を論じる事は、日中関係を論じる事▼

鈴置氏の議論は明快である。当職の言葉に置き換えて要約すると、現在の韓国は、政治的にも軍事的にも経済的にも、中国に併呑されようとしているというのだ。そして、鈴置氏は、日韓関係を論じる前に、まずは米中の覇権争いという国際政治上の背景が存在している事を指摘する。

鈴置氏は「プロローグ」で、こう記している:

中国の空母が韓国・済州島に寄港する日が来る―。こう言ったら、日本人はどう思うだろうか。日本は沖縄県・尖閣諸島を巡り中国と鍔迫り合いを演じている。『仮想韓国の機動部隊が九州と目と鼻の先を根拠地にするなんて、いくらなんでもまずい』と考える人がほとんどだろう。(中略)『軍港が完成すれば、韓国は米国だけでなく中国の空母も受け入れる』と見る人が増える」(同P1)。仰天の指摘だ

韓国は、曲がりなりにも「自由主義」「民主主義」「法治主義」という基本的価値観を日本と共有しているはずだと、今でも日本人の多くは信じている(少なくとも当職自身は、かつてはそう信じていた。尤も、最近になってからは、実はこの国が遡及法を平気で成立させる国だと知ったのだが…)。だが、鈴置氏は、韓国がいわば、米国と中国の両国を手玉にとって、自国の都合が良いように両国を利用しようとしていると指摘しているのだ。その際、スケープゴート(ダシ)にされるのは日本である。

▼反日を利用して米国の圧力をかわす曲芸▼

一例を挙げよう。2012629日、締結されるはずだった日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA、通称「情報保護協定」)の締結を、署名1時間前になって韓国側がドタキャンするという事件があった。鈴置氏はこの背景について、韓国が中国から「日韓情報保護協定を結ぶな」と脅されたのだと指摘する。その証拠として、73日付の「環球時報」(鈴置氏に言わせれば「人民日報の姉妹紙で中国共産党の本音を表明する対外威嚇用メディア」、同P35)に、韓国を脅すような社説が掲載されたと述べる。

ところで、この協定はもともと、米国のお膳立て(というよりも米国の要望)により日韓間で締結されるはずだったものだ。しかし、鈴置氏の指摘によれば(同P3442)、韓国は中国を恐れる余りにこの協定を締結しなかったのだという。その際、言い訳としたのが「日本は歴史を反省し、謝罪していない」という、いつもの歴史問題だ。

鈴置氏は、「中国に対しては『ご指示通り軍事協定は断りました』と歓心を買った。その一方で、米国に対しては、『ご指示の通りに協定を結ぼうとしたのですが、日本のせいでできません。従軍慰安婦問題や独島(竹島)問題で日本が強情なため、我が国の左派が反対するのです』と責任を転嫁した」(同P41)と分析。協定を破棄したことは反日を材料に正当化できたと指摘している。

なんて卑怯なのだろうか?ただ、考えてみれば当時は民主党政権だ。「日本が悪い」といういつもの反日に対し、政権幹部は怯んだのだろう。結局、日本が悪者にされて、日韓情報協定は破棄されたのだ。

▼曲芸は所詮、曲芸▼

ただ、鈴置氏も指摘しているが、所詮「『曲芸』は『曲芸』に過ぎない」(P51)。そして何より、日本では民主党政権が倒れ、昨年、愛国者の安倍晋三総理が率いる保守政権が成立。これまで「殴られっぱなしだった日本も、ついに韓国や中国に本気で反撃に出そうな気配」(P51)が生じている。

少なくとも、今のところ尖閣諸島問題を巡り、安倍政権は中国に対する譲歩を一切見せていない。今のところ安倍政権は歴史問題の見直しには踏み込んでおらず、経済対策に特化する姿勢を見せているが、早くも歴史的な高支持率を謳歌している。それに黒田日銀体制が打ち出した金融政策は、世界中にサプライズを与えただけでなく、取り敢えずはIMFの支持も取り付けた。

■Lagarde welcomes Japan’s big stimulus

――――――英国時間2013/04/07() 17:25 (日本時間2013/04/08() 01:25)FTオンラインより

日本は国内の経済問題に優先して取り組みつつも、外交上は、本気で殴り返す準備を着々と進めているのだ。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

なお、楽天ブログの都合上、本日は紙面が尽きた。鈴置氏の著書の紹介と、韓国情勢の分析については、もう数日に分けて論じて行きたい。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2013/04/10 03:04:20 AM
コメント(2) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.