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新宿といえば、歌舞伎町とか超高層ビル街とかのイメージが強い。しかし、当職が居住している地域は、新宿の中でも比較的静かな地域だ。意外な事に、小学校もあればスーパーもあるし、公園だってある。繁華街からは距離があるため、閑静な住環境が成立しているが、それでも少し歩けば新宿の繁華街に辿り着けるという絶好の立地でもある。 さて、新宿の街の片隅に住み始めて10年以上が経過する当職だが、日本最大級の繁華街である新宿の商業用施設は栄枯盛衰が激しい。中には、当職が新宿にやってくる以前から営業していて、今でも人気店となっているものもあるが、当職の印象では、新宿に出店する店舗の半数は三年以内に開業した新規店舗ではないかと思う。 当職自身も、こうした商業用施設の栄枯盛衰の一部を垣間見てきた。大昔、新宿に初めて進出してきたときは、味が良くて値段も安いため、つい入り浸ってしまった飲食店があった。確かに人気店ではあったものの、どこかで傲慢になってしまったのであろうか、それとも虫の居所が悪かったのか、店主がお客さんに怒鳴っているシーンを目撃してしまって以来、その店には怖くて近寄れなくなった。こないだ近所を通ったら、まだ営業しているみたいだったが、客の入も少なく、定食のメニューが100円ずつ値下げされていたのには苦笑した。そのすぐ近所に出来た新しい定食屋の方が値段が高いが、味も良く接客も丁寧であるため、客の入は順調であるらしい。 また、長らく営業を続けていた大手コンビニのチェーン店が撤退し、後に何が入るのかと思っていたら、他の大手コンビニが入居していた事例もある。コンビニが出退店する理由には、単に採算が取れているかどうかだけでなく、近隣の他店舗等との兼ね合いなどもあるようだ。 その一方で、老舗の書店とかが時々閉店しているのを見ると、時代の移り変わりを感じずにはいられない。というのも、書店の廃業は新宿だけの現象ではないからである。当職は、様々な理由で全国各地を訪問する事が多いが、その地域の中心部にあった書店がなくなっていることに気づくこともある。書店が撤退すると、代わりに入居するのは、今流行の家電量販店とか、衣料品店とかが多いだろうか。当職自身は電子書籍を保有していないが、その一方で、確かに書物を買う機会は減っているように思う。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ さて、お客さんに怒鳴り散らす飲食店というのも怖いものがあるが、確かに、商業用施設の栄枯盛衰を見ていて感じる事は、幾つかある。撤退に追い込まれる店というのは、 1.その店特有の理由によるものか 2.時代的な背景によるものか という、二つの軸で切り分けられると思う。例えば、優れた書店でも、時代の波に勝てずに撤退していく店が増えてきているようだが、これは人々の書籍離れという傾向を反映したものなのかもしれない。その一方で、お客に怒鳴り散らす飲食店が値下げを余儀なくされたものの、未だに撤退せずに残っている理由は、人間、生きている限り胃袋を満たし続けなければならないから、という、極めて単純なものではないかと思う。街の片隅で、様々な商業用施設の栄枯盛衰を見守るだけでも、この経済というものの一端を垣間見ることが出来るのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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