フランスの朝
フランスの朝、マルシェと呼ばれる市場とパン屋は営業を5時6時からはじめていた。パリのバゲットはほそ~~~い。こまっしゃくれたようなほそ長いものだった。日本のものは太すぎっていうかふくらまし粉、入れすぎ、、、フランスは、結婚当初、主人とレンタでまわったことがある、、、ホテルガイドブックを片手に、片言のフランス語で、頑張った。英語はフランス人の方から、話せますかとたずねられたときだけ、話すことに決めていた。というのは、友人がフランスパリで、英語でやりとりしようとしていやな思いをしたと聞いていたからだ。まずは、お国の言葉、フランス語の挨拶からはいるのが、筋と理解していた。ホテルは値段の目安も星の数でわかるようになっていた。それで、行く方向で、うちの予算に合った星ひとつのところに泊まれるように、私は車をナビしていた。泊まるホテルはだいたい、宿泊代だけ。夕食は付属のレストランでとってもとらなくても。朝は泊まるときにお願いして、宿泊代に加算されるシステムだった。その朝食なのだけれど、だいたい、割高。出てくるのは、発酵バターはいつも美味いけれど、ジャムは、あの小さいジャムパックいり、パンはフランスパン、それから、コーヒーかショコラ。それだけなのに、結構な値段だった。外で買って食べたらきっとずっと安かっただろうと思う。それでも、割高な朝食を毎日頼み続けた。その理由は、この簡素な朝食をたっぷり毎日、一時間かけて、ゆっくりと日本にはない、くつろぎを感じながら、味わって味わって食べることができたから、、、、そう、、、、時間の流れがゆっくりで、、、なにを話しながら、食べていたわけではないが、時間をかけて食べていた。今思い出すことは、9時くらいに食べ始め、9時半には出発と思いながら、毎日、10時を回っての出発だったことだ。あの割高な朝食代は時間を買っていたというか、フランス時間のゆっくりとした時間を感じる時間だった。日本では考えられない、体験だった。パンのおかわりはできたような気がしたけれど。ホテルに付属していたレストランでの、夕食はまた全然違った意味で、楽しみだった。自慢のオーナーのおかかえシェフが腕を振るっていることもあり、メニューの説明をうけ、注文するとおいしいもの持ってきましたよ、という感じで、「ボナ・ペッティ」と運んできたマダムにいわれ、メインを食べ終わる頃には、だいたい、「セ・ボン?」と聞いてきた。わたしたち夫婦が「ボン」と当然いうことを期待して、、、明らかに、オリエンタルなわたしたちにも、「うまい」という言葉を期待する自信がレストランのマダムにはあった。実際、おいしかった。さすがフランスのレストラン、、、田舎の方にいっても ホテルに付属したレストランは美味い。うまい。また、レンタで周ってみたい、おいしいフランス。町にいくと、必ず、マルシェを訪ねた。こちら活気があって見て周るのは楽しかった。土地によってちょっとずつ並んでいるものが違ったりした。フランスは農業国として、自給率を上げている。と、いうわけで、フランスの朝食、内容はそんなでもないけれど、ゆっくりと時間をかけた朝食を味わえることができ、日本では想像もつかない、貴重な経験をしたというお話でした。