感想がまとまらないのは修
昨日「感想は今日まとめる」と書きましたが、どうもまとまらないので、また断片的に書きます。SPと言っても、大仕事や抗争を持ち出さず、「虐げられた、ささやかな一般庶民の恨みを晴らす」という、通常と同じテーマで進んだのはよかったです。どうも昔のSPを見ていたクセで、大風呂敷には懐疑的になります。ただその代わり、全体に冗長と言うか、間延びした印象は否めないですね。1時間とは言わないまでも、2時間の尺をさらに延長してまでやるほどの話ではなかったと思います。(最初に尺ありきなのでやむを得ないと思いますが)だから実は、通常のテーマで2時間持たせるのは、かなりハードルの高いことがわかりますね。それで視聴者の興味を引くには、ストーリーを緻密にするとか、登場人物に感情移入等が必要と思います。今回で言えば、お春や与吉、あるいは燕斎を、もっと丁寧に、際立たせて欲しかったです。クライマックス、匳が潜入~捕まり、与吉・お春ともに殺される件りは、視聴者の共感を呼ぶ、もっとも大事な場面なのに、寺田氏特有の、描写の不自然さは、相変わらずと言うか、直らないですね。いつも言ってる気がしますが、人の行動をストーリーにはめ込まず、人の行動を追うことでストーリーを描いて欲しいです。仲川Pならリテイク必至だと思います。思うに寺田氏は、「人間が自然に、まして幸せを求めて行動しているのときに、そんな悲惨な目に遭うはずがない」という考えが身に染み付いているのでしょう。裏切られたり裏切ったり、挫折や人間不信を知らず、性善説で行動している……とでも思わざるを得ないほど、不自然な行動が多すぎます。そう思えば、くじで当たれば逃がすとか、妙に律儀な悪人にも納得です。そういえば前回の「助け人に似た話」は、第31話「地獄大搾取」でした。まあジャンルが同じ、という程度だと思いますが…あとは…レギュラー陣はなかなか活き活きしてきました。小五郎は、もう少し2009の頃のような冷たい感じがあってもいいですが、単発のSPで全編それではちょっと辛いかもしれません。涼次と匳は、いいコンビになってきましたね!いわゆる「キャラがかぶる」ことを心配していましたが、なかなかどうしていい感じです。またお春と与吉が駆け落ちしても、関所を通れない旨話すあたりは、抜け忍である涼次の設定がきちんと活きていましたね。次回以降がまたあるなら、そろそろレギュラー交代を…と思っていましたが、もう一本くらい連ドラを作って、そこで誰かが(死をもって)退場というのも、悪くないような気がします。音楽については…仕置屋のサスペンス系ブリッジ曲がやけに多かったですが、またマスターをまとめて持ってきたんでしょうかね(汗)あとカレーのシーンで新からくり「石亀テーマ」バージョン違いとか、匳が捕まるすすきのシーンでほとんど未使用仕事人Vサスペンス曲とか、マニア垂涎曲(笑)は今回も多かったです。いつか、サントラ未収録曲のリリースを…期待したいですね。殺しは…特別な印象はない(汗)ですが、冒頭の小五郎、剣之介とお歌のテーマで殺しというのはなかなか斬新でよかったです。またラストの殺しでの主水のテーマは、やっぱり引き継ぐんでしょうかね。私は元のままでもいいと思いますが…そういえば、今回はやけに旧作(いわゆる前期)を意識した描写が多かった気がします。角から出てきた人の性別の賭け、「お春」の名前など、仕事屋を髣髴とさせるものが多かったですが、ラストシーン、なぜか「秋風二人旅」、この唐突さは否めないところですね。燕斎の兄弟設定は、これをやりたいためだけ、と勘ぐりたくなるほどです。いや、私は、これはまっしぐら「相手は名古屋の暗殺剣」のオマージュと思うことにします(笑)色々書きましたが、また書き漏れ・気付き漏れもあると思いますが、とりあえずこんなところです。日々の生活に流されると、必殺のことを忘れがちになりますが、やっぱり実際に放送があるということは、本当に、本当にいいものですね。一気に頭の中を必殺で一杯にしてくれました。今後ももちろん、SPだけといわず、連ドラを作って、…色々な作風を試すことができるくらいの本数は製作して欲しいものです。本当に、本当に期待していますよ。