カテゴリ:読書
ろう者(聴覚障害者)に対する考えの浅さを痛感した一冊。
口語法による発語で会話しているろう者同士をごくたまに街で見かけると、正直なところ(可愛そうだな)と感じてしまう自分。 普通の言葉を話してはいるけれど、きちんとした発音ではないため、健聴者には聞き取りづらいものだ。 高音になったりしてあたり憚らず話しているが、本人たちは聞こえていないのだから無理もない。 それを不快には感じないまでも、憐れみの目を向けてしまう。 まことに不遜である。 彼らはコミュニケーションをとるのに真剣なのだ。 だが手話のみで会話しているろう者同士を見かけると、動きがとてもきびきびして楽しそうだし素敵だなと思う。 (口語法で会話しているときに感じる、可愛そうという気持ちはこのとき不思議と少ない) そのろう者の実像を知るにも良いこの著書。 ろう者として初の主演女優として映画出演した本人の自叙伝でもあり、健聴者へ向けた強いメッセージをこめた一冊でもある。 彼女は云う。 「ろう者はけっして、孤独な存在でも、可哀相な存在でもない。ましてや聴者の庇護のもとでしか幸せになれない存在でもない」 彼らへ向けるぼくの視線は確実に変わった。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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