青春のギターリペア 　Ｋ２ギターファクトリー

◆GUILD D-40
　ギターオーナー様はたく様です
　D-40は個体数が少なく長年探していたモデルで、何とかご縁に恵まれて入手されたとの事です
　週末のライブに間に合わせるために特急便で仕上げて行きます

◆画像から確認して行きます

●大切に弾かれていた事が直ぐに判るギターです


●ヘッドストックがワイドタイプでギルドらしいです






●ＬＲバックス Ｍ-1にパッシブタイプが有る事を知りませんでした


◆リペア開始して行きます

●サドルの出に余裕が無い事を前提に進めて行きます


●リペア前の弦高は6Ｅ／１２Ｆで3.50ｍｍ有ります

●1Ｅ／１２Ｆも2.75ｍｍ有りますので、ライブで使うには気合と指力が必要です

◆ロッドで出来る限り調整して行きます

●1フレットのクリアランスを無視して12フレットを調整します

●6E/12Fが2.50ｍｍまで下がります

●1Ｅ／１２Ｆも2.00ｍｍまで下がります

●1フレットのクリアランスを無視した調整ですから、1フレットにベタ付きになってます

🌸サドルの出に余裕が無く、ロッド調整で予定の弦高に近くなりますが1フレットにベタ付き
　このケースでは、ナットを交換する事がギターに負担が掛からず、最も合理的で有ると判断して
　消耗品でも有るナットを交換して1フレットのクリアランスを確保する事にします

◆弦高調整の方針が決まりましたので、ブレーシングの剥離位置を特定して行きます

●ノックテストでブレーシングが剥がれている事は確実で、出音も4Ｄ弦5～7フレットの異常音から
　トップ側を丹念に探しましたが剥がれ箇所が見つかりませんでした。
　症状が出る＝原因が有る　ですから、バック側を探しますと


●バック4番の左右の剥がれ

●バック3番の左右の剥がれ


●バック1番の右の剥がれが見つかりました
　他の箇所も有る可能性は有りますが、納期を考慮して先に見つかった箇所を接着固定して行きます


●バック4番＆3番の左を接着固定します

●バック1番の右を接着固定します
　バック側のブレーシングにジャッキを掛ける際には、外側からボディクランプを掛ける必要が有ります


●残ったバック側のブレーシングを改めて確認しますと、2番の右も剥がれてました
　バック側は左右各3箇所の計6カ所が剥がれてました


●バック右の3カ所を同時に接着固定します


●ジャッキからの圧は、ボディを広げる事にも鳴りますので、必ず外側からボディクランプを
　掛ける事が必須です


●クランプを掛けている間に、腕が入る左側のトップを確認しますと、剥がれ箇所が見つかりました
　

●後回しにしますと忘れる可能性が有りますので、即刻接着固定しておきます


●ナットを外します


●交換するナットを削り出して、ナット溝にピッタリ合わせます



●更にノックテストをしたところ、トップ側右に僅かな違和感を感じましたので
　スクレーパーで確認しますと、Xブレーシングに剥がれ箇所が有りました


●接着固定します
　バック側6カ所／トップ側２カ所剥がれてました


●更にノックテストをしましたがこれ以上は無い様なので、全体をクリーニングします


●フレットボードもこの通りです


●テスト弦を張って有りますが、ブレーシングを接着して半日以上経過してませんので
　チューニングが出来る明日以降にセッティングして行きます


●ＬＲバックスのジャックを外した際に、貫通穴に違和感が有りましたので、穴が正しく
　開けられているか確認しますと、垂直面に対して水平に穴が開けられてませんでした
　穴が斜めに開いていると、六角ナットに平均にトルクが掛かりませんので、ビシッと
　締め付ける事が出来ません


●この様に隙間が空かずにピッタリ収まる様に修正して有ります


●ジャックを先に取付ておきます


●音出しテストをしますと、2~4フレットが高いので、バズリが出ますので
　擦り合わせをして高さを揃えます


●1E＆2B弦に付いたフレットエクボも取れて一石二鳥です


●フレットボードは350Rです


●予定の弦高になる様にサドル＆ブリッジを調整します


●ナットの弦溝を調整してナット弦高を揃えます


●6E/12Fは2.25ｍｍで予定通りです


●1E12Fも1.75mmで予定通りです


●M-1を取付けます


●フレットボードの仕上がりです


●リペアの完了です
　思わず唸ってしまう音質のギターです





🌻Ｋ2ギターファクトリー
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