カテゴリ:ギターリぺアー
◆K.Yairi YMF-1 セッティング
ギターオーナー様は、Sino様です 先日、同型モデルのリペアが完了しましたので 30年来の付き合いのこのギターも弾き易くセッティングして 欲しいとの事でお預かり致しました ◆画像から確認して行きます ![]() ●正に【百戦の勇士】と呼ぶに相応しい風貌です ![]() ![]() ●強力なコードストロークに対して、ピックガードの位置が合っていればと思います ◆リペア前のセティングを確認して行きます ![]() ●1フレットは1E&2Bが高めで他は適正高さですから、 ロッド調整だけでは弦高調整に限界が有ります ![]() ●6E/12Fは2.75mm有りますので、弾き難いと感じる高さです ![]() ●1E/12Fは2.40mm有りますので弾き難い高さです ![]() ●ロッドには余裕が有りますが、1フレットに余裕が有りませんので、ロッドで下げられるには 限界が有ります 弦高を下げて行く際に、ナットを交換する事が最も合理的と判断した場合は ご相談させて頂きたいと思います ![]() ●1E~3G弦に掛けて擦り合わせがされている様に見えますが、その際にフレットエッジ処理 がされて無かったのかも知れません ![]() ●スライドさせる時に指先に引っ掛る感覚ですが、この違和感は個人差が大きく 全く問題を感じ無ければ修正する必要は有りません。 ![]() ●内部で剥がれ落ちていたマホ材は、ブックマッチの貼り合わせのパーツかと思ってましたが トップクラックの内部の補強材でした ●LR-バックスのピックアップの位置を変えた際に、お使いになった両面テープが 剥がれかけていて、トップ材に密着してませんので付け直す必要が有ります ➡ブレーシングを確認している時に、再度確認しましたところ、はみ出している 両面テープによって、隙間が開いている様に見えただけで、ピクアップの付け直しは 不要でした。 ◆リペア開始して行きます ![]() ●剥がれたマホ材の位置を確認してましたら、トップ材のサブブレーシングが剥がれ落ちる 寸前でした。完全に外れますと正確な接着位置に張り戻す事に、余計に手間が掛かりますので 落ちる前に接着固定しておきます ![]() ●元の位置に接着固定します ![]() ●剥がれているブレーシングの近くと、逆サイドを確認する事は必須ですので確認しますと 接着固定が済んだ真下のブレーシングも剥がれてました ![]() ●素行で接着固定します ![]() ●トップクラックの補強材を元の位置に接着固定します 超強力磁石を使って正確に位置決めします ![]() ![]() ●クランプと磁石を使って固定します ![]() ●トップサイド左のクラックは、接着剤を流し込んだだけの様でしたので パッチを使って補強する必要が有ります ![]() ●マホ材で作ったパッチの貼り付けが済みました ![]() ●パッチの周囲をニカワを塗って補強します ![]() ●最初に貼り付けた補強板の周囲にニカワを塗って補強します ![]() ●内部を確認しますと、トップの穴を埋めるために受けとして貼って有る材の周囲に 隙間が有りまたので、ニカワを流し込んでクランプで固定します この工程で内部のリペアは完了しますので、セッティングして行く事が出来ます ![]() ●最終的な確認をして行きますと、トップ側のテールの反響音に違和感を感じましたので 再度確認しますと、ライニングに剥離箇所が有りましたので、タイトボンドを流し込んで スプールクランプで接着固定しておきます ライニング=ボディ内部の全周に接着されている◣の形状の木材パーツです ◆木工事【某業界の専門用語】が済みましたのでセッティングして行きます ![]() ●フレットボードを確認しておきます 250RはGibsonとほぼ同じ曲面です ![]() ●6E&1E弦の高さに合わせてサドルを250Rで削り直します ![]() ●擦り合わせしただけでフレットクラウンを修正していない様ですので 磨きと合わせてエッジを処理しておきます ![]() ●1フレットのクリアランスを保ちながら、トラストロッドを調整します ![]() ●6E/12Fは2.25mmまで下がりますが、弾き難く感じます ![]() ●原因は最大値0.33mmの順ゾリが残ってしまう事です ![]() ●1フレットのクリアランスを無視してロッドを調整しますと、順ゾリが0.10mmまで修正出来ます 0.10mmでしたら、弾き難さは全く感じません ![]() ●ネック優先でロッドを調整しますと、1フレットにベタ付きになります ![]() ●専用のスケールでナット溝を測定します ![]() ●1フレットの高さ+0.5mmを当てますと、溝の下羽が隠れてしまいます 🌻12フレットが2.25mmでも順ゾリが0.33mm有りますと、弾き難いので消耗品でも有ります ナットを交換して、順ゾリを解消して弾き易くセッティングする方が良いと判断しまして ナットを交換する事を選択します ![]() ●サドルの底面が75度タイプですが、専用治具で削りますと10分足らずで正確に削る事が 出来ます ![]() ●既存のナットに合わせて溝を切ります ![]() ●ナットのシェイプを整えて、1フレットのクリアランスも取りました ![]() ●6E/12Fは2.25mmで予定通りです ![]() ●1E/12Fも1.75mmでOKです ![]() ●ナットの仕上がりです ![]() ●フレットボードの仕上がりです ![]() ●ボディが削れてスプルースが剥きだしで保護が有りませんと、湿度の影響をまともに受けて しまいますので、ボディ全体にオイルを塗りこんで保護して有りますが、その際にステッカーの 残骸が取れてしまいました。 オイル分が馴染んで来ますと良い感じになりますのでご安心下さい 🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年12月28日 09時19分36秒
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